白色腐朽菌の利用研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/30 21:01 UTC 版)
日本国内における木材の利用は6割ほどが建築材料用であるが、残りは製紙用や再生セルロース繊維の原料となっており、その製造過程で、リグニンを主とする着色成分を高温の化学反応により分解除去している。その際、多量のエネルギーと処理薬剤を投入する必要があり、また、着色成分は強力な化学反応で可溶化された後に廃棄物とされ環境汚染の原因となりうる。そのため、白色腐朽菌の持つリグニン分解能力を利用し、省エネルギー化や処理薬剤の削減、廃棄物の減量、リグニンの分解生成物から機能性材料を得ようとするなどの研究が行われている。 また、白色腐朽菌の持つ、リグニンを分解する酵素群(リグニンペルオキシダーゼ、マンガンペルオキシダーゼ、ラッカーゼなど)は強力な酸化力をもち、基質特異性が低いことから、ダイオキシン類などの難分解性化合物を分解することが報告されていて、微生物を用いて汚染された土壌や水環境を修復するバイオレメディエーションに利用しようとする研究が世界中で盛んに行われている。
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