旧国有財産法における国有財産
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「国有財産」の記事における「旧国有財産法における国有財産」の解説
旧国有財産法における国有財産とは国有の不動産および勅令で指定された国有の動産および権利である。 したがって勅令指定以外の動産、すなわち船舶、浮標、浮桟橋および浮船渠、不動産および上述動産の従物、事業所における機械および主要な器具、地上権、地役権、鉱業権、砂鉱権その他これに準ずべき権利、株式および出資による権利等以外のものについては、物品会計規則の適用があり、本法の適用はない。 国有財産は、(1) 公共用財産 国で直接公共の用に供しまたは供するものと決定したもの、(2) 公用財産 国で神社の用または国の事務、事業もしくは官吏その他の職員の住居の用に供しまたは供すると決定したもの、(3) 営林財産 国で森林経営の目的に供しまたは供するものと決定したもの、(4) 雑種財産 上述各種に属さないもの、の4種に区別される。このうち(1)、(2)および(3)は行政的財産に属し、公物の法理が適用され、したがって融通能力が制限され、これを譲渡し私権を設定することはできない(4条)。(4)は収益財産または財政的財産に属し、民法の法理の支配に服し、したがってこれを譲渡し私権を設定することができ、ただしその無償譲渡、出資の目的となすこと、交換、貸付、売却、譲与、または貸付の予約につき特別の制限を定める(5条ないし8条、15条、23条)。 国有地の境界査定および測量に関しては当該官庁の境界査定権ならびに私人の土地への立入権を認める(10条から19条)。 国有財産は各省大臣が管理し、大蔵大臣がその全体について総括的管理を行なう。公共用財産、公用財産の用途を廃止するときは遅滞なく大蔵大臣に引き継ぐべきであるとされる(施行令2条)。国有財産は所管の各省がその種類にしたがって台帳を備え、記録する(25条)。各省大臣は毎会計年度間の国有財産増減報告書を調製し、大蔵大臣に送付し、大蔵大臣は国有財産増減総計計算書を調製し、会計検査院に送付する義務がある(26条)。 国有財産に対する特別法は国有林野法および北海道国有未開地処分法がある。国有林野のうち営林財産に属さないものは雑種財産に属し、雑種財産としての国有財産法の適用を受けるほかこの国有林野法の制限を受ける。国有林野のうち社寺保管林、委託林野、部分林、官有民木林は特別の規定がある(17条ないし19条)。北海道国有未開地は開墾を奨励する必要から貸付および売払について特例が認められ、無償貸付および事業の成功を条件とする無償譲渡などの場合が認められる。
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