日本聖公会祈祷書
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日本聖公会でも、全国統一の祈祷書が用いられている。1859年から日本での宣教が開始されたときには米国聖公会・英国聖公会の宣教師が持ち込んだ派遣元の祈禱書およびその日本語訳が用いられていたが、1879年には『聖公会祷文』としてまとめられている記録があり 、 1887年には日本聖公会が設立されると、ローマ字の『Nippon Seikōkwai Kitō Bun』(1889年)もできる 。1895年には大改定した『日本聖公会祈祷書』が刊行されて 、これは聖餐式には英国式と米国式を併記している。(この間、1888年にはカナダ聖公会も宣教に来日する。)この祈祷書はまた何回かの改定を経て、1939年には戦前最後の改定が行われて、これが最後の旧仮名遣い祈禱書となる。 1959年には翻訳版でない日本独自の祈祷書である’’日本聖公会祈祷書’’が日本聖公会教務院によって発行された。文庫本サイズで黒色のハードカバー表紙に十字架があり、背表紙には金文字で’’日本聖公会祈祷書 詩編付‘’と記されている。1959年版祈祷書には全編を通じて文語が用いられているが現代仮名遣いになっており、聖餐式で用いられる主日ごとの特祷・使徒書・福音書朗読箇所なども掲載されている。諸祈祷・感謝の項には、英国聖公会の君主・皇室への祈りに倣って、日本の天皇や皇室に神の助けを願うという祈りも残っていたが、これは1988年版祈祷書から除去している。 現在使用されているのは、「日本聖公会 祈祷書」(1990年版、発行:日本聖公会管区事務所)である。1959年版祈祷書をベースに、教義や社会情勢の変化などを取り入れて改訂が行われた。文体が口語体に改められ、文書レイアウトも縦書きから横書きへと変更され、聖書日課は「改訂共通聖書日課」を使っている。2000年に日本のカトリック教会と’’主の祈り’’の共通口語訳を発表したことなどに伴い改訂が行われている。
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