日本の寄附金付切手
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日本で最初の寄附金付切手は、1937年6月1日発行の愛国切手である。この目的は国内各地に飛行場を整備する基金の募金を呼びかけるものだった。そのため、デザインも北アルプス上空を飛行するダグラス DC-2型輸送機を描いたもので、3種類の額面と刷色が異なる切手が発行された。 第二次世界大戦中には軍事費募金のための寄附金付切手が発行されており、1942年2月16日発行の「シンガポール陥落」記念切手が寄附金付であった他、同年12月8日発行の「大東亜戦争第一周年記念」切手にも寄附金が付けられていた。1945年には満州国において、戦闘機を購入するために、額面3分(1円の100分の3)に対し寄付金47分という、寄付金のほうがはるかに大きい切手の発行が計画されたが、終戦を迎えたため発行されなかった。 戦後になると、1948年に社会事業共同募金のための寄附金付切手が発行されたのを皮切りに、1964年東京オリンピックや1972年札幌オリンピック、日本万国博覧会、ラグビーワールドカップ2019、2020年東京オリンピックなどの国家的事業のための寄附金付切手が発行された。特に1964年東京オリンピックの寄附金付き切手は3年間6回にわたり、当時の実施種目の20競技を描いたもので額面5円に対し寄附金5円であった。 1995年4月20日には阪神・淡路大震災の義捐金のための寄附金付切手を発売したが、これは額面80円を100円で販売し、差額の20円を震災支援の寄付金としたもので、額面は「80+20」と表記されていた。ただし準備が間に合わなかった為、例年発行されている「切手趣味週間」の切手に便乗する形になった。そのため、金島桂華の『画室の客』という絵画がデザインであり、被災地に全く関係ないものとなった。印刷数5000万枚のうち約4728万8000枚が販売され、諸経費を除いた9億4000万円が地元に配分された。またふるさと切手のなかには同様に有珠山噴火や三宅島噴火による被害に対する寄附金付き切手もある。 2011年4月22日、郵便事業株式会社は、東日本大震災の被災者支援のための寄附金付切手を発行すると発表し、5種の図案の10枚組シートが6月21日に発売された。 なお、日本では毎年発行される年賀葉書と年賀切手には寄附金付のものがあり、この販売で集まった寄附金は各種慈善事業に配分されているという。なお、くじ付の年賀切手は現在寄付金付のみ存在している。
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