日本におけるM&Aの特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 14:50 UTC 版)
日本でM&Aというと大企業のものというイメージを持たれることが多いが、実際は日本のM&Aの70%は中小企業を対象にしたものといわれている。 日本国内では中小企業の後継者問題などでM&Aを用いようという動きがあるが、「会社売却は恥ずかしい」等の経営者のマインドの問題などがあり利用は進んでいない。 日本のM&Aの特徴として、M&A仲介会社が売り手企業・買い手企業の双方と仲介契約を締結し、双方に助言を行い双方から手数料を徴収することがあげられる。利益相反の問題が内在するため、売買当事者は仲介会社の助言が誠実なものといえるか慎重に吟味する必要がある。日本において2018年時点ではM&A仲介会社の業法規制が存在しないため、適正な業務が行われる担保がない点が問題とされる。不透明な契約を締結しトラブルになる業者もいる。トラブルを抑制するため、2020年3月に中小企業庁より「中小M&Aガイドライン」が発表され、2022年1月には日本国内大手M&A仲介会社が中心となって、「一般社団法人M&A仲介協会」という自主規制団体を設立し、業界改善に向けた動きが加速している。 なお、海外ではM&Aアドバイザーは売り手・買い手のいずれかの立場に立ち、片方の利益の追求に尽力し成功報酬を受け取るという手法が一般的である。 2019年ごろには、M&Aマッチングサイトの普及を背景に、スモールM&AやミニM&Aと呼ばれる取引価格数百万円から数千万円のM&Aも増加した。売り手は事業承継に悩む中小企業オーナーが多い一方、買い手は副業解禁を背景に会社員などの個人の参入が見られたり、事業拡大を狙う小規模事業者などこれまでM&Aを検討してこなかった層が買収をする事例も増えている。他方、安易な参入で失敗する例もあり、対策が急務とされる。
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