日曜、午後、六時半。
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「世界の終わりと夜明け前」の記事における「日曜、午後、六時半。」の解説
初出:『週刊ビッグコミックスピリッツ』第36・37合併号 - 第39号(2006年8月21・28日、9月4日、9月11日発行)。短期連載作品。ある家族を中心にした群像劇作品。3話構成。 夏の思い出 江園家長男の勝彦は、インターネットで元交際相手の香田の育児日記を発見し、居酒屋にて一年半ぶりに香田と再会する。その後二人はホテルで体を重ねるが、その際香田は、育児日記の内容はただの妄想で、夫との仲が最悪であることを告白する。 ア ガール イン ブリリアントワールド オブ ア ボーイズ デイドリーム 江園家の次女若菜は、予備校で出会った少年堀川をデートに誘う。若菜は堀川の哲学的な発言に違和感を覚えながらもデートは進み、二人は、堀川の安らぎの場だという駅ビルの屋上に出る。堀川の俯瞰的な発言に腹を立てた若菜は堀川の頬を張り、捨て台詞を残してその場を後にする。翌日、若菜は堀川から再び屋上へ誘われる。屋上には大学生のグループが居座っており、若菜はその様子を陰から伺っていると、現れた堀川が大学生の一人を殴りつける。返り討ちに遭いながらも大学生らを追い払った堀川は、隠れていた若菜に手を振り、昨日の若菜の発言について考え、この場所だけは守りたかったことを明かす。 帰宅 江園はある朝、長男と次女を残して家を発った。その後の数日間、「ある場所」を探して某県の山道を彷徨っていた。道中、江園は山道で女子高生と遭遇する。死に場所を探していると語る女子高生と行動を共にし、ようやく探していた「ある場所」に辿り着く。「ある場所」は15年前に江園が家族と旅行で宿泊した、今は廃墟となったホテルだった。江園はここへ訪れれば昔の幸福を思い出せると考えていた。翌朝、江園は残してきた家族へ電話をかけ、女子高生と別れる。別れ際、女子高生はこのまま別れるのは寂しいと告げ、江園が被っていたカツラを貰い受ける。江園は過去の幸福な記憶を思い出しながら、家族の待つ家へ帰宅する。 登場人物 江園 勝彦 江園家の長男。高校生時代は映画部で脚本を書いていた。当時女優としてスカウトした香田と交際していた。 江園 若菜 江園家の次女。予備校に通う18歳の少女。成績はあまり芳しくない。同じ予備校に通う堀川をデートに誘う。 江園 江園家の父親。ある日勝彦と若菜を残して失踪する。カツラを被っている。 香田 勝彦と中島と同じ高校へ通っていた女性。高校生の時、映画部で脚本を書いていた勝彦に女優としてスカウトされ、その後に勝彦と交際していた。既婚者。インターネットのブログで育児日記を書いている。勝彦に、子供の産めない体であること、育児日記が全てでたらめだということを語る。 中島 肥満体型の男。高校生の時は映画部でカメラマンを担当していた。現在はアダルトビデオの現場でカメラマンとして働いている。 堀川 祐介 若菜と同じ予備校に通う少年。若菜と面識はなかったが、若菜から強引にデートへ誘われた。模試で第一位を獲得するほどの秀才。 女子高生 江園が山道で出会った少女。本名は不明だが、前述の「アルファルファ」に登場した大沢と目元やほくろの位置等が一致しており、同一人物だと思われる。交際者との破局、親との確執から家出し、日銭を稼ぐためにアダルトビデオに出演しようとするが直前で怖くなり、暴行を受けた挙句山道に捨てられた。
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