施設老朽化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 08:12 UTC 版)
「北上特定地域総合開発計画」の記事における「施設老朽化」の解説
一方、この計画が始まったのは1938年と戦前のことであり、特に初期に建設されたダムでは施設設備の老朽化が問題となった。また近年[いつ?]の水需要の変化や1997年(平成9年)の河川法改正で「河川の環境維持」が治水・利水と並ぶ河川行政の三大目的になり、河川維持放流の義務化が全てのダムに課せられた中で、施設改良を行わなければ時代の流れについて行けなくなるダムも現れた。このため、ダム再開発事業によるリニューアルが幾つかのダムで図られた。 その最たるものが石淵ダムである。完成から50年以上経過したダムは様々な部分で改修の必要性に迫られた。治水機能ではかんがい優先で建設された関係上放流が多く、最盛期には年間300回も放流した年もあった。またダムの遮水壁はコンクリートであるが、壁の沈下などが起こり易く補修を度々実施しなければならなかった。このため1970年代にかさ上げ計画が生まれたが、最終的に下流2キロメートルに新たなダムを建設して石淵ダムの能力をパワーアップさせる方針とした。これが胆沢ダムであり、2013年(平成25年)に高さ132.0メートルという北上川最大のダムとして誕生するが完成に伴い、日本のダムの歴史に残る石淵ダムは完全に水没する。 このほか田瀬ダムでは1994年から1998年(平成10年)まで老朽化したダムの常用洪水吐きを閉鎖して新たな洪水吐きを建設する「施設改良事業」を、花山ダムでは細倉鉱山の閉山に伴って余剰となった用水を洪水調節容量増加と栗原市の上水道用水に転用する「花山ダム再開発事業」を行い、ダムの維持・改良を実施している。
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