新球場建設へさらなる混沌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 15:50 UTC 版)
「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」の記事における「新球場建設へさらなる混沌」の解説
2005年(平成17年)7月に入り、広島市の秋葉市長が現在地での建設困難を理由に貨物ヤード跡地に建設する方針を示す。一部ファンの反発もあったが、地元経済界はその方針を追認、広島球団もかねてより建設地には拘らない姿勢であり、新球場の方向性が固まった。それを受けて2009年(平成21年)に新球場でのオールスターゲームの開催が内定した。 しかし2006年(平成18年)3月に実施された新球場の設計・施工コンペでは、防衛施設庁談合事件に絡んだ多数のゼネコンが参加できない事態となり、唯一参加資格を得たグループの案も広島球団に「(この設計案では)興行を行う自信がない」と酷評されるほど見解の相違が大きく、また広島市民やファンの間でも結果として一グループだけのコンペになったことへの不満・反発が強く、不採用となった。2006年(平成18年)4月には建設予定地の土壌から基準値を超える砒素が検出され、プレーする選手や観客の安全性を問題視する報道がなされた。 また、広島市が再コンペ時に球場本体の建設予算を90億円(周辺開発に関する建設費並びに収益を含まず)に設定したことは、100億円以上の建設費を費やした他球場の例を、一部マスメディアによってしばしば引き合いに出される結果となり、市民やファンの間に、「カープの本拠地となるのに、貧弱な設備しか持たない球場になるのでは?」という憶測が流れた。2006年6月には、先の設計・施工コンペに参加したものの選考前に辞退したアラップスポーツグループが広島市の方針に異を唱える記者会見を行い、建設費用を190億円に設定した独自の球場プランを公開する事態まで発生した。 このように、新球場を巡る混沌とした状況に加えて市民球場の跡地利用策が遅々として進展しなかったため、広島市民やファンからは「広島市は本当に新球場を作る気があるのか」「(オールスターゲームが行われる)2009年に新球場は間に合うのか」といった厳しい意見も出始めていた。
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