文化財の保存と活用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 13:51 UTC 版)
文化財の所有者は、個人、法人(美術館・博物館や宗教法人、財団法人、株式会社など)、地方公共団体(都道府県・市区町村)、国など多岐にわたる。文化財の所有者および関係者は、文化財を公共のために大切に保存するとともに、できるだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。文化財のうち、社寺など施設・場所の多くが見学を受け入れているほか、芸術作品なども常設または企画展で公開されることがある。文化財を撮影して写真集を含む書籍や展示会図録として出版したり、テレビ番組や映像ソフトで見せたりすることは20世紀から行なわれているが、21世紀には高精細画像でデジタル画像化して保存・公開することも行なわれている。 重要文化財の場合を例にとれば、重要文化財の所有者は、文部科学省令及び文化庁長官の指示に従って当該重要文化財を管理しなければならず(第31条)、所有者が判明しない場合又は所有者若しくは管理責任者による管理が著しく困難叉は不適当であると明らかに認められる場合には、文化庁長官は地方公共団体などを管理団体に指定し、所有者に代わって管理にあたらせることができる(第31条の2)。 重要文化財の現状変更には文化庁長官の許可が必要である(第43条)。重要文化財の輸出は原則として禁止されている(第44条)。また、文化庁長官は重要文化財の公開を勧告することができる(第51条)。一方で、重要文化財の管理又は修理につき多額の経費を要する場合は、所有者又は管理団体には補助金が交付される(第35条)。有形文化財のうち、登録有形文化財に関する規定は、重要文化財に関するものに比べてゆるやかなものとなっており、例えば現状変更は届出制となっている(第64条第1項)。 文化財の保存や修復・修理もには高度な技術と費用が必要で、学界を含めた官民の連携が重要である。文化庁と宮内庁と読売新聞グループは2018年11月29日、皇室所有分を含む文化財の保存、修理、公開を一体で進める「紡ぐプロジェクト」を始めると発表した。
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