文化・宗教事業
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「イヴァン・アレクサンダル」の記事における「文化・宗教事業」の解説
イヴァン・アレクサンダルの治世に第二次ブルガリア帝国は文化復興期を迎え、当時のブルガリアの文化はシメオン1世の時代の文化活動以来の「ブルガリア文化の第二の黄金時代」と呼ばれることもある。イヴァン・アレクサンダルの命令によって、ブルガリアではキリスト教教会と修道院の建設・改修事業が多く行われた。プロヴディフのバチコヴォ修道院(英語版)の納骨堂とイヴァノヴォの岩窟教会群に描かれた壁画の中には、寄進者であるイヴァン・アレクサンダルの肖像画も含まれている。 また、イヴァン・アレクサンダルは異端とユダヤ人への弾圧を実施することでブルガリア正教会の立場を強化しようと試みた。1350年と、1359年から1360年にかけての時期の二度にわたって反異端の宗教会議を実施し、ボゴミル派、アダム派、ユダヤ派異端などの様々な宗派が弾劾された。ヘシカスムの精神的な実践は14世紀の東方正教会圏の特定の地域に深い影響を与えた。イヴァン・アレクサンダルの時代のヘシカスム運動を代表する人物にタルノヴォのテオドシイ(英語版)が挙げられる。 イヴァン・アレクサンダル時代のブルガリアでは、宗教的建築事業と並んで文芸活動も盛んになった。イヴァン・アレクサンダルは文芸の保護に熱意を注ぎ、内容・装丁の両方に優れた写本を収拾した。当時の重要な文学作品として、バチカン秘密文書館に保管されている1344年/45年に中世ブルガリア語に翻訳された『マナシス年代記』、1360年のTomić Psalter、1337年のSofia Psalterが挙げられる。1355年/56年にイヴァン・アレクサンダルに献呈された福音書(ロンドン福音書)はロンドンの大英図書館で展示されている、ロンドン福音書には豊富な装飾画が含まれており、中世ヨーロッパの装飾本の中で最も豪華なものの一つに挙げられる。 この時期のブルガリアは地中海に面する海洋国家のヴェネツィア共和国、ジェノヴァ共和国、ラグサ共和国と交易を行っていた。13世紀のブルガリアでは外国の商人に関税は課されていなかったが、1347年に締結された条約によってヴェネツィア商人に輸出入取引の際に3%の関税を支払うことが義務付けられた。
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