数学・技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 23:08 UTC 版)
「数学史」も参照 記数法 会計には計算が欠かせず、記数法との関係が重要となる。エジプト数字、バビロニア数字、ローマ数字は計算に時間がかかる。この点でインド数字は十進法であり、計算が容易で会計に適した記数法であった。インド数字は西アジアに取り入れられてインド・アラビア数字となり、イスラーム世界を通じてヨーロッパ、のちには世界各地に普及していった。 道具 ものを数える行為は、文字とは別個に行われていた。紀元前30世紀のメソポタミアでは、粘土のトークンと容器を用いた会計が在庫管理に使われていた。アメリカのインカ帝国では、キープと呼ばれる縄で財政が行われていた。また、近代の無文字社会でも官僚組織と財務管理を整備した国家が存在した。 会計を記録する道具としては、粘土板、パピルス、竹簡や木簡、樹皮や木の葉、結縄、絹布、羊皮紙などが使われた。日本では、和紙の長帳や袋帳に取引を筆書きし、そろばんを使って集計した。これを帳合と呼び、分類的には多帳簿制収支(検算)簿記とも呼ぶ。 情報 会計技法の普及には、出版物が大きな効果をもった。ヨーロッパでは、パチョーリの『スムマ』をはじめとする簿記書が15世紀から出版されて複式簿記の普及につながった。イスラームでは書記術の一環として、財務官僚に簿記を伝授する本が書かれた。中国では官僚向けの会計術は書かれたが、民間の商人向けの本は近代までなかった。日本では、帳簿の記帳や計算方法は商家ごとに秘密とされており、部外者に共有はされなかった。
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