放送波受信の仕組みと配線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 17:04 UTC 版)
「スカパー!プレミアムサービス」の記事における「放送波受信の仕組みと配線」の解説
スカパー!プレミアムサービスでは方角の異なる2つの通信衛星からそれぞれ水平及び垂直の直線偏波として4種類の電波を同時送信する事によって、多くのチャンネルを提供可能としている。スカパー!などのBSおよび東経110度CSデジタル放送は右旋及び左旋(2018年に一部の帯域で開始)の円偏波という2種類の電波を出しているが、放送衛星と通信衛星がほぼ同一の方角にあるため、プレミアムサービスでは実質的にBS・東経110度の約2倍の帯域を使用している。4種類の電波を原則としてチューナーからアンテナに付属するCSコンバーターへ供給する電源に電圧変化あるいはパルス信号を与え、目的のチャンネルを送信している衛星・偏波の組み合わせに一致するよう切り換える必要がある。よって、一般家庭での受信ではアンテナとチューナーの間に分配器を取り付けてはいけないとされている。 1出力アンテナ 放送開始当初から一つのアンテナにCSコンバーター1系統を搭載した1出力アンテナが販売されている。 パーフェクTV!とJ・スカイBの合併前(SKYサービス開始前)のアンテナはPerfecTVサービス用の1衛星アンテナで、衛星切換機能はない。どちらかの衛星に向けて使用することになるが、「アンテナあげます!つけます!キャンペーン」の対象となり、申し込むとBSやスカパー!を含めた3衛星(厳密には4衛星)対応アンテナへ交換してもらえる。その他のCS放送用アンテナ(アナログCS用やディレクTV用など)も1衛星用として使用できる。 入力電源と出力電波の相関表(一般的なスカパー!プレミアムサービス用アンテナの場合) 入力パルス信号なし40kHz入力電圧DC15V東経128度(JCSAT-3A)水平偏波12.2 - 12.75GHz 東経124度(JCSAT-4B)水平偏波12.2 - 12.75GHz DC11V東経128度(JCSAT-3A)垂直偏波12.2 - 12.75GHz 東経124度(JCSAT-4B)垂直偏波12.2 - 12.75GHz 出力↓どれか1つを変換し伝送1,000 - 1,575MHz 1系統の出力を2分配した場合のアンテナ出力(一般的な家庭用スカパー!プレミアムサービス用アンテナの場合)チューナー(1)チューナー(2)アンテナからの出力備考JCSAT-3A水平偏波 JCSAT-3A水平偏波 JCSAT-3A水平偏波 衛星・偏波面ともに同一の場合。両方映る JCSAT-3A垂直偏波 JCSAT-3A水平偏波 JCSAT-3A水平偏波 衛星が同一で偏波面が異なる場合。水平偏波を選択したチューナー(2)が映る JCSAT-4B垂直偏波 JCSAT-3A垂直偏波 JCSAT-4B垂直偏波 偏波面が同一で衛星が異なる場合。JCSAT-4Bを選択したチューナー(1)が映る JCSAT-4B垂直偏波 JCSAT-3A水平偏波 JCSAT-4B水平偏波 一方がJCSAT-3A・水平偏波で他方がJCSAT-4B・垂直偏波の場合。出力はJCSAT-4B・水平偏波になり両方映らない JCSAT-4B水平偏波 JCSAT-3A垂直偏波 JCSAT-4B水平偏波 一方がJCSAT-4B・水平偏波で他方がJCSAT-3A・垂直偏波の場合。JCSAT-4B・水平偏波を選択したチューナー(1)が映る 2出力アンテナ 1つのアンテナにCSコンバーター2系統を搭載した2出力アンテナが販売されている。基本的にチューナー1台につきCSコンバーター1系統が必要である点は変わっていない。 共同受信で全チャンネル映るようにするには マンションなどの同軸ケーブル(2軸)での共同受信(共聴)では、視聴出来ないチャンネルが一部にある。共聴タイプ1〜3は、基本的に同軸ケーブルを衛星毎に1軸ずつ使用する方式で、タイプ1の導入当初は帯域が狭かったJCSAT-4(当時)のSKYサービスに地上波(CATVを含む、以下同様)・BSを混合する方式だったが、この方式はBSに追加されたチャンネル(BS-17〜23により伝送されるBS234チャンネル以降の大半)や東経110度CSデジタル放送も、JCSAT-4Bにより伝送されるハイビジョンチャンネルも受信できない。JCSAT-3(当時)のPerfecTVサービスに適用すると、ハイビジョンチャンネルに加え標準画質チャンネルの一部もカットされるため、一部のチャンネルが受信できない。タイプ2は1衛星の両偏波を全部伝送する物で、帯域がBSとも競合するため地上波とのみ混合できる。タイプ3はタイプ1を拡張し、タイプ1でカットされる帯域のうち片方の偏波を空き帯域に混合する物であり、どちらの偏波を混合するかによって2方式ある。 プレミアムサービスの全チャンネルを共同受信するには、設備側に2衛星対応4出力アンテナとブロックコンバーター(放送周波数を変則的なCS-IFに変換する装置)、各受信機に端末ブロックコンバーターが必要であり、端末ブロックコンバーターに関してはチューナー毎に1台必要になる。これをやってもプレミアムサービスのハイビジョンチャンネルは周波数帯域が異なるため、大部分のチャンネルが視聴不能である。 標準画質チャンネルの放送終了(一部除く)後、段階的に再編成が行われ、2014年10月1日以降はJCSAT-3AのチャンネルはJCSAT3のタイプ3-1でも全部映るようになる見通し。タイプ3-2はタイプ1と同じチャンネルになるため、タイプ3-1への改修が必要になる。JCSAT-4BのチャンネルはJCSAT4のどの方式でも全部映る。 共聴タイプ別の出力形式◎:全チャンネルが映る △:一部のみ映る -:伝送しない共聴方式受信の可否JCSAT-3A水平偏波JCSAT-3A垂直偏波JCSAT-4B水平偏波JCSAT-4B垂直偏波備考タイプ1(JCSAT3) △ △ - - タイプ1(JCSAT4) - - △ △ タイプ2(JCSAT3) ◎ ◎ - - タイプ2(JCSAT4) - - ◎ ◎ タイプ3-1(JCSAT3) △ △ - - タイプ3-1(JCSAT4) - - △ △ タイプ3-2(JCSAT3) △ △ - - タイプ3-2(JCSAT4) - - △ △ マスプロ2600M ◎ ◎ ◎ ◎ 新2軸 ◎ ◎ △ △ 3軸 ◎ ◎ ◎ ◎
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