摂政ダイヤ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/06 16:04 UTC 版)
詳細は「摂政ダイヤモンド(英語版)」を参照 ピットは410カラット(82グラム)の未加工のダイヤモンドを購入したことで知られる。彼は1701年にマドラスでジャムチャンド(Jamchand)というインド商人から購入していたが、そのダイヤはジャムチャンドがとあるイングランドの船長から購入したもので、その船長はダイヤをアブル・ハサン・クトゥブ・シャーの召使いから盗み出した。別の説では召使いがクリシュナ川沿岸のゴールコンダで発見したものであり、彼はダイヤを自身がゴールコンダ包囲戦(英語版)から逃げる時に負った大きな傷の中に隠した。 ピットは48,000パゴダ(英語版)(20,400ポンド)でダイヤモンドを購入、1702年にそれを長男ロバートの靴の中に隠して、イングランドに密輸した。1704年から1706年までの2年間、ロンドンのハリス(Harris)という宝石職人が原石から141カラット(28.2グラム)の宝石を切り出し、他にもいくつかのより小さな宝石を切り出した。小さな宝石はロシアのピョートル1世に売却された。一方、大きな宝石のほうはフランス王ルイ14世などヨーロッパ諸国の君主に売却することを何度か試みられた後、ジョン・ローが仲介してフランス摂政のオルレアン公フィリップ2世に135,000ポンドで売却され、フランスの戴冠用宝玉(英語版)になった。その後、ルーヴル宮殿所蔵になり、1887年以降公開展示されている。 ピットはコピーホールド(英語版)と呼ばれる土地を有しており、その土地の地主はピットの死後に彼の財産のうち価値の最も高いものを得ると定められた。もしダイヤモンドを売却していなかったら、相続上納物(英語版)(相続税の一種)として没収されるはずだった。 摂政ダイヤモンドとの関連により、トマス・ピットは「ダイヤモンド・ピット」とあだ名されるようになった。
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