戦後の責め絵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/31 14:35 UTC 版)
戦後になると責め絵の題材は残酷・無残絵から、好色な女縛りと女責めに変わっていく。多くの絵師たちが腕を競った責め絵が普及し始めたSM雑誌の誌上を賑わせるようになった。 喜多玲子戦後まもなく発行された奇譚クラブで人気を博した責め絵師。玲子という女性名であるが男性の絵師で、複数の作家名を使い分けていた。的確な描写の線画を得意として、均整の取れた肉体と美しい乳房をもった女が全裸で後ろ手に縛られている絵が多い。 椋陽児あどけない顔をした美少女が、細身の裸体を丹念に縄掛けされ、無毛の股間に股縄を喰い込ませている題材を好んで描いた。そばに描かれる中年の男女が次の淫らな責めの用意をしていたり、人が集まる宴席や女の競り市で少女が裸身を晒している絵図が多い。 沖渉二沖の責め絵は、現代風の顔立ちでスレンダーな美女が多く登場する。若妻や美人秘書が緊縛責めにされる題材では、脱がされた下着、ハイヒールなどの洋装品が好んで描かれる。 小妻容子肉付き豊かな白い肌の女性が、毛羽立つような太い麻縄や荒縄で無惨に縛られ、責めに悶える情景が描かれる。また、美しい刺青を施した女侠客が、あくどい色責めにかけられる題材や、美女が全裸で処刑される残酷絵なども好んで描いた。 前田寿安前田が好んだ責め絵の題材は、色白の美女が胡散臭い老人や僧侶に淫虐な責めで豊満な肉体を嬲られる情景である。白黒を基調とした薄暗い屋内での女責めの構図に、朱赤色を効果的に使い、女の着物・女の血の色が鮮烈に表現される。 鏡堂みやび同志社大学を卒業後、SM業界に身を投じ、その後責め絵画家としてデビュー。責められる女の汗と体臭を感じさせる迫真の写実画。
※この「戦後の責め絵」の解説は、「乳房縛り」の解説の一部です。
「戦後の責め絵」を含む「乳房縛り」の記事については、「乳房縛り」の概要を参照ください。
- 戦後の責め絵のページへのリンク