意味と定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/30 05:57 UTC 版)
コンクリートは圧縮力(上からの荷重)に強いのが特長である。この強度を表す単位として、以前は「kgf/cm2」が用いられていたが、SI基本単位への移行後は「N/mm2」が用いられている。これはそのコンクリートが1平方ミリメートルあたり何ニュートンの力を支えられるかを示す。この値が高いものが「高強度コンクリート」とされている。 一般に建築工事や土木工事では、コンクリートは固まる前の流動状のものを使用し、現場で建築物へと施工していくため、完成後のコンクリート建造物の強度を実測することは困難である。このため予め設計上の強度(設計基準強度)を定め、コンクリートが固まる前の材料の成分比を調整することで計算上の強度が発揮されるようになっている。一方、実際には現場での施工誤差が生じるため、その誤差分を見越して設計基準強度よりもいくらか高い値のコンクリート材料を用いることも多く、その場合の値を「呼び強度」と称する。一般に設計には設計基準強度を用いるが、施工では呼び強度を用いる。 建築基準法(主に設計基準強度を定める)の改正やJIS規格(主に呼び強度を定める)の改定によって、求められる強度の数値は変わるほか、コンクリートの用途によっても定義や認定取得手続きは異なっている。そのため古い時代には高強度コンクリートと称したものが、改正後は高強度コンクリートの基準に合致しなくなるということが起きうる。 主に建築物の設計の観点から、日本建築学会では設計基準強度36N/mm2を上回るものを「高強度コンクリート」と定義している。さらに60N/mm2を上回ると「超高強度コンクリート」という。 実際に生コンクリート(レディーミクストコンクリート)を生産する立場からは、JIS規格によって呼び強度が50から60のものを「高強度コンクリート」と規定されている。 土砂や水、凍害に晒されるダムやトンネルなどを扱う土木学会では、設計基準強度が50N/mm2から100N/mm2のものを「高強度コンクリート」と定義している。
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