恵信尼消息とは? わかりやすく解説

恵信尼消息

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 22:41 UTC 版)

恵信尼」の記事における「恵信尼消息」の解説

「恵信尼消息」は、鷲尾教導調査によって大正10年1921年)に西本願寺宝物庫から発見され10からなる恵信尼真筆消息手紙)である。親鸞の妻である越後恵信尼が、娘にあたる京都覚信尼送ったもので、現在も西本願寺にあり、全て巻物1巻収められている。第1,2通は譲状第3通から第6通は親鸞入滅看取った覚信尼からの知らせに対して出され親鸞生前追想、第7通以降凶作下における身辺の生活を語りつつ自己の信心伝えている。親鸞やその家族晩年における布教活動や、言行を知る上での非常に貴重な史料である。これらの書状発見されたことにより、親鸞実在確認され経緯がある。 鎌倉時代女性の手紙が纏まって残っている事自体極めて珍しい。手紙の内容格調高く豊かな言葉綴られている事実から、恵信尼はかなり教養が深い女性であった推定できる二松學舍大学小山聡子によると、消息内容親鸞著作などとの対比から、親鸞妻子信仰が必ずしも一致していなかったとしている。例えば、第3通によれば、恵信尼親鸞観音菩薩化身であると考えてそれゆえ極楽往生確信している。また、通によれば娘の覚信尼親鸞臨終のときに何ら奇瑞起きなかったことを不安に感じていることが判明する。これらは、親鸞唱えた現生正定聚考え方一致していないが、親鸞教え整理されるようになるのは浄土真宗教団確立され室町時代以降の話であり、親鸞およびその家族それぞれの信仰の間には天台宗などの既存宗派信仰観の影響受けて微妙なずれが生じたのは当然であった考察している。

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