性染色体劣性遺伝型筋ジストロフィーとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 性染色体劣性遺伝型筋ジストロフィーの意味・解説 

性染色体劣性遺伝型筋ジストロフィー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 16:06 UTC 版)

筋ジストロフィー」の記事における「性染色体劣性遺伝型筋ジストロフィー」の解説

デュシェンヌ型 (Duchenne muscular dystrophy, DMD) 進行性筋ジストロフィー大部分占め重症な型である。おおよそ小学校5年生くらいの10歳代で車椅子生活となる人が多い。昔は20歳前後心不全呼吸不全のため死亡するといわれていたが、「侵襲的人工呼吸法」(気管切開用いる)や最近では「非侵襲的人工呼吸法」(気管切開などの方法用いない)など医療技術進歩により、5年から10年生命予後延びている。しかし、未だ根本的な治療法確立していない難病である。このデュシェンヌ型は、伴性劣性遺伝X染色体短腕ジストロフィン遺伝子欠損)で基本的に男性のみに発病する症状 2 - 5歳頃から歩き方がおかしい、転びやすいなどの症状発症確認されることが多数である。初期には腰帯筋、次第大殿筋肩甲帯筋へと筋力低下範囲広げていく。なお、筋力低下対称的に起きるという特徴を持つ。また、各筋の筋力低下によって処女歩行遅滞、易転倒登攀性起立とうはんせいきりつ、ガワーズ(Gowers)兆候)、腰椎前弯強、動揺歩行アヒル歩行)などをきたす。筋偽牲肥大に関して腓腹筋三角筋特徴的に起こるが、これは筋組織崩壊した後に脂肪組織置き換わる事による仮性肥大である。病勢進行と共に筋の萎縮近位遠位)に関節拘縮アキレス腱短縮なども加わり起立歩行不能となる。心筋疾患合併することが多く心不全大きな死因のひとつである。 検査 血清CK著明上昇筋電図にて筋原性変化認める。尿中クレアチニン↓。尿中クレアチン↑。筋生検にて免疫染色行いジストロフィン蛋白欠損治療 現在のところ、根本的治療法はない。機能訓練関節拘縮予防のためのストレッチ理学療法)のほか、心不全呼吸障害対す対症療法が行われる。作用機序は明らかではないが、プレドニゾロンDMD筋ジストロフィー保険適用がある。国産初のアンチセンス核酸医薬品として治療剤(ビルトラルセン)の臨床試験開始され2020年3月25日承認された。 ベッカー型 (Becker muscular dystrophy, BMD) 病態デュシェンヌ型同じだが、発症時期遅く症状の進行緩徐関節拘縮少ない。一般に予後良いデュシェンヌ型同様、免疫染色にてジストロフィン蛋白に異常を認めるが、デュシェンヌ型ではジストロフィン蛋白がほとんど発現していないのに対しベッカー型では異常なジストロフィン蛋白産生されたり、発現量が少ないことが知られており、これにより両者症状差異生じているのだと考えられる

※この「性染色体劣性遺伝型筋ジストロフィー」の解説は、「筋ジストロフィー」の解説の一部です。
「性染色体劣性遺伝型筋ジストロフィー」を含む「筋ジストロフィー」の記事については、「筋ジストロフィー」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「性染色体劣性遺伝型筋ジストロフィー」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「性染色体劣性遺伝型筋ジストロフィー」の関連用語

性染色体劣性遺伝型筋ジストロフィーのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



性染色体劣性遺伝型筋ジストロフィーのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの筋ジストロフィー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS