性染色体の過剰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 05:10 UTC 版)
性染色体は元々男女で本数が異なり、正常女性でも1本以外は不活性化と言って活動を抑えるため、トリソミーやテトラソミーになっても過剰な染色体は不活性化して物質の生産の変動は小さく、常染色体トリソミーと比較して症状は軽く、一生発見されない場合もある。ただし性別に影響を与える染色体であるため不妊や生殖器の奇形が起きることはある。 クラインフェルター症候群(Klinefelter) 正常男性核型がXYであるのに対し、X染色体が過剰である(XXY、XXXYなど)事で発生し、仮にXXYYなど、Y染色体も複数あってもX染色体が多い場合はクラインフェルター症候群になる。 外見も外性器も男性型であるが精巣の発達が悪く、この為男性ホルモン不足になりやすい他、高確率で不妊になる。女性化乳房が半数に見られる。 知能・精神面では平均すると知能がやや低下する(IQが平均より10~15低くなる)が、大人しい性格(引っ込み思案・恥ずかしがり・未熟・慎重など)とみられることが多い。 治療面ではテストステロン補充、女性化乳房が見られる場合は一過性の場合はそのままでもよいが持続するときは手術。 スーパー女性(超雌) 女性のみに発生。正常女性核型がXXであるのに対し、X染色体が過剰である(XXX、XXXX、XXXXXなど)。XXXの場合は「XXX症候群」や「Xトリソミー」や「トリプルX」と呼ばれる。 身長は高い傾向にあるが、肉体的には特に目立った点はない。生殖能力も普通の女性と変わらない。 知能・精神面では平均すると言語IQが20ほど低下し、半数に言語理解や会話能力低下が見られたが、学習障害の範疇で特殊教育を必要とするものは少数であったと報告されている。 スーパー男性(超雄) 正常男性核型がXYであるのに対し、Y染色体が過剰である(XYY、XYYYなど)。染色体数に応じてXYY症候群などとも呼ばれる。 大多数は高身長で生殖能力は普通の男性と変わらない。 知能・精神面では平均すると正常の範囲だが兄弟より低めで、忍耐力が低い傾向がある。(この為古い本などでは「凶暴性」と書かれていたこともあった)
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