性染色体劣性遺伝(伴性劣性遺伝)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/25 11:26 UTC 版)
「遺伝形式」の記事における「性染色体劣性遺伝(伴性劣性遺伝)」の解説
X-linked Recessive、XRと略す。X染色体上に存在する遺伝子の異常によって起こるが、正常遺伝子が1つでもあれば発症しない疾患。女性では2つあるX染色体上の遺伝子両方に異常がなければ発症しないのに対し、男性ではX染色体が1本しかないため、遺伝子1つの異常で発症する。このため、男女の患者数に大きな差がある。 父が正常、母がキャリアーの場合 正常X染色体をX、異常のあるX染色体をxとすると、父XY、母Xx。子は、男子の場合XY、xY各50%で、xYは患者となる。女子の場合、XX、Xx各50%であり、50%の確率でキャリアーになる(低い確率で、父由来Xに突然変異が起こり患者となる)。 父が患者、母が正常の場合 父xY、母XX。子は、男子はXYですべて正常。女子はすべてxXでキャリアー(低い確率で、母由来Xに突然変異が起こり患者となる)。 父が患者、母がキャリアーの場合 父xY、母xX。男子はxY、XY各50%で、xYが患者になる。女子はxx、xX各50%で、xxは患者となる。 父が正常、母が患者の場合 父XY、母xx。男子はxYですべて患者、女子はXxですべてキャリアー。 両親ともに正常の場合 男子のX染色体上の遺伝子に突然変異が起こり、患者となる可能性がある。突然変異が起こる確率自体は低いものであるが、各疾患の女性キャリアーはたいていの場合少ないため、実際の患者は正常遺伝子型の両親から生まれていることが少なくない(血友病の3 - 4割は、両親の遺伝子に異常がないとされる) 血友病A,B デュシェンヌ型筋ジストロフィー 赤緑型色覚異常
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