当用漢字補正案
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1954年3月15日、国語審議会は新聞界の要望を基に、28字を削除し28字を追加し2字に音訓を追加、1字の字体を変更するという内容の「当用漢字表審議報告」をまとめた。将来当用漢字を正式に見直す際の参考資料、補正案の報告と位置付けられたが、文芸界や教育界・法曹界の反対にあった。このため正式な答申や内閣告示には至らず、公用文や教科書などの漢字使用には影響しなかった。新聞界ではこれを「当用漢字補正案」と呼び、4月からその内容を紙面に反映させた。1955年の『新聞用語言いかえ集』やその後身に当たる『新聞用語集』は1956年10月の初版以降、常用漢字表告示による当用漢字表廃止まで、この補正案の内容を加味した漢字表を収録する。 追加28字 亭(テイ) 俸(ホウ) 偵(テイ) 僕(ボク) 厄(ヤク) 堀(ほり) 壌(ジョウ) 宵(ショウ・よい) 尚(ショウ) 戻(もどす) 披(ヒ) 挑(チョウ) 据(すえる) 朴(ボク) 杉(すぎ) 桟(サン) 殻(カク・から) 汁(ジュウ・しる) 泥(デイ・どろ) 洪(コウ) 涯(ガイ) 渦(カ・うず) 溪(ケイ) 矯(キョウ) 酌(シャク) 釣(つり) 斉(セイ) 竜(リュウ) 削除28字 謁 虞 箇 且 遵 但 脹 朕 附 又 濫 丹 劾 唐 嚇 堪 奴 寡 悦 煩 爵 罷 迅 逓 錬 隷 頒 璽 音訓追加・字体変更 個(カ) 燈→灯(ひ) また、「仏」の表外音「フツ」は当用漢字補正案でも追加されなかったが、新聞ではフランスの略称としての用法に限って振り仮名なしで使用可となった。
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