広域事件に指定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 13:57 UTC 版)
「古谷惣吉連続殺人事件」の記事における「広域事件に指定」の解説
福岡事件の遺留品となったズボンには、神戸市垂水区内のスーパーマーケットのレシートが入っていた。福岡県警察(捜査一課および東福岡警察署)の特別捜査本部がズボンを調べたところ、男性A(後に垂水事件の被害者と判明)の名前が書いてあった。これを受け、特捜本部がAを警察庁に氏名照会したところ、Aは強盗・窃盗の前科2犯で、1964年秋まで垂水区内に在住していた事実が判明し、遺留品の指紋・筆跡もAと一致した。先述の目撃情報もAの人物像と一致していたため、福岡県警はAを同事件の重要参考人として調べることを決め、捜査一課特捜班係長ら4人を兵庫県警に派遣した。 しかし同年11月29日、県警捜査員が垂水警察署(兵庫県警)の署員とともに、Aが住んでいた掘立小屋に出向いたところ、Aの死体(死後約1か月)が発見され、垂水事件が発覚した。このため、「犯人はまず垂水事件でAを殺害してズボンを奪い、福岡事件でCを殺害した」という見方が強くなったが、両事件を継ぐ捜査資料は乏しかった。 そのような中で、警察庁から新たに類似事件として大津事件に関する報告が入り、3事件には「民家を離れた1人暮らしの老人が殺され、死体には布団が被せられていた」「現場の遺留品(たばこの吸い殻など)からA型の血液型が検出された」という共通点が判明した。このため、12月1日には兵庫・滋賀・福岡の3県警が神戸市内で初の合同捜査会議を開き、バラックや掘立小屋に住む老人に対する捜査を行うことが決められた。その翌日(12月2日)、Y事件(強盗未遂事件)に関して被害者Yと、犯行を目撃していたYの知人2人からの目撃証言が入り、これを得た福岡県警の捜査本部は犯人のモンタージュ写真を作成した一方、警察庁は同月9日に垂水・福岡の両事件を同一犯による連続殺人事件と断定し、「広域重要105号事件」に指定した。それまでの広域重要指定事件4件(101 - 104号)はいずれも多額窃盗事件であり、殺人事件の広域指定は初めてだった。
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