市民団体による抗議行動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 07:20 UTC 版)
「ザ・コーヴ」の記事における「市民団体による抗議行動」の解説
4月以降、主権回復を目指す会(いわゆる“行動する保守”のひとつ)などの保守系市民団体は、試写会を求めるとともに、「ザ・コーヴは違法な盗撮によって造られた捏造を織り交ぜた反日プロパガンダでありテロリストシーシェパードの資金源となる」と主張。公開を阻止するために渋谷駅、上映を支持する新聞社、アンプラグドや本社所在地である社長の自宅前などで抗議活動を行った。 アンプラグド代表の加藤武史によると、3月末に「主権回復を目指す会(主権会)」を名乗る男性から、「上映を中止しろ、中止しなければ抗議に行くぞ」との電話があり、加藤は「抗議等がありましたら書面でお送りください」と返答した。4月7日、主権会が配給会社の前で街宣活動をおこなうとの情報がに警察からもたらされ、4月9日に30人規模の街宣活動が配給会社前の道路で行われた。主権会による街宣活動はその後、配給会社に2回、加藤の自宅に2回の計5回行われたという。加藤は、自宅にまで抗議行動が押し寄せた点に関して「さすがに参った」とし、街宣活動禁止の仮処分の申請を東京地方裁判所に提出、これを認められたとしている。 抗議行動の中心を担っている主権回復を目指す会では、代表の西村修平が「ドキュメンタリーに名を借りた日本バッシングだとはっきりわかる。こうした映画の上映は許すことはできない」と本作を批判した。 市民団体が撮影した動画によれば、6月12日、主権回復を目指す会などの市民団体が、本作の上映を予定している横浜市内の映画館前で抗議デモを開始しようとしたところ、右翼団体一水会最高顧問の鈴木邦男が前方に立ちふさがり、市民団体にデモの中止と討論を要求したため、市民団体は後ほど討論に応じるから邪魔をしないよう求めたが、鈴木は討論を要求し続け、警官隊に排除された。その後も鈴木はデモ隊への接近を試みたが、その都度警官隊に妨害された。 この件について、鈴木が参加している月刊『創』編集長の篠田は、鈴木が討論を申し込んだが断られ、警察官が制止したとしている。一方、主権回復を目指す会側は、鈴木が集会を妨害しようとしたと主張している。 6月24日、横浜地方裁判所はアンプラグドの申し立てを受け入れ、7月3日からの上映が予定されている「横浜ニューテアトル」周辺における街宣行為を禁じる仮処分命令を発した。6月26日、主権回復を目指す会は、「横浜ニューテアトル」の支配人が6月21日にTBS『NEWS23クロス』に出演して「命を懸けてます」と言いながら、3回に渡って街宣をかけている民族派右翼団体神奈川県維新協議会に対しては仮処分申請を裁判所に行っておらず、私利私欲で上映する偽善であるとして、改めて上映を止めるよう支配人の自宅と「横浜ニューテアトル」前にて抗議活動を行うとともに裁判で本処分を争うよう主張した。 6月以降は、前述の団体とは別に在日特権を許さない市民の会などの市民団体も上映反対の抗議活動を行うようになった。 主権回復を目指す会は、7月3日の「ザ・コーヴ」公開日に上映館である渋谷の「イメージフォーラム」にて抗議街宣を行い、7月11日には一連の活動を総括するシンポジウムを開いた。
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