差し戻し審
差戻審
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 02:30 UTC 版)
石田穣一裁判長が指揮する東京高裁第七刑事部での差戻審は、順調に進んだ。10月19日にはAの仮退院が認められ、同月22日には高裁による異例の現場検証も行われた。 新発見されたナイフについて、かつての家宅捜索に従事した捜査員らは、押入れの布団包みの中も入念に調べたと証言した。しかし具体的な状況については、布団の畳み方も、種類も、包装紙の開け方も、ガムテープの状態も「記憶にない」と繰り返した(さらにガムテープの状態は、捜索時の写真とナイフ発見時とでまったく変化していない)。捜査員らは、布団包みは押入れの上段に一組しかなかったと一様に証言したが、下段にも布団包みが確認できる捜索時の写真を裁判官から示されると、絶句した。 しかし不安材料もあった。若穂井によれば、Aに対する石田の態度は非常に威圧的で、それにAが憤慨したことで裁判官の心証は一層悪化してしまったという。また、発見されたナイフの指紋鑑定と、現場付近の足跡の鑑定について、高裁に提出されていた鑑定書では、どちらもAのものと「類似」するという鑑定結果が示されていた。しかし、鑑定人である千葉県警鑑識課吏員は、2つの鑑定結果について法廷で、指紋については「鑑定不能」、足跡については「酷似」と、それぞれAに不利なように表現を変えて証言した。
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