州教会監督辞任
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/13 05:50 UTC 版)
「カルステン・レンツィング」の記事における「州教会監督辞任」の解説
2019年9月1日のザクセン州議会選挙において、右派系ポピュリスト政党ドイツのための選択肢 (AfD) が27,5%もの支持を得た後で、ザクセン州教会内の多くのキリスト者たちが州教会監督にドイツのための選択肢 (AfD) とは明確に一線を画するように求めた。2019年9月14日、レンツィングが決闘の風習を維持している学生組合の一員であることを地元紙ザクセン新聞が報道した。州教会監督選挙時に学生組合在籍の事実を明かさなかったことを問われた際、レンツィングは学生組合の積極的なメンバーではなかったので、この事実を自身の経歴として意図的に明らかにしなかったと語った。フェンシングや決闘をすることは若い学生としてのスポーツマン的冒険に過ぎなかったとして、教会税を支払っていた教会員たちの多くはレンツィングに理解を示した。学生組合メンバーとしての友情を守るために、教会から離脱することはしないとレンツィングは表明した。これに関連する形で、2013年からレンツィングが右派系保守主義のための民間図書館の運営に加わっていることも批判された。ザクセン州教会に属している複数の牧師がレンツィング州教会監督にキリスト教的隣人愛を明確にする請願をはじめた。同時に、彼に対して学生組合の在籍を解消し、右翼保守主義やオルタナ右翼と見解を別にするように求めた。学生組合のメンバーであることは州教会監督の職務と相容れないものであり、とりわけ、ドイツ国防軍無罪論には与せずに、キリスト教信仰者として国家主義に肩入れするのではなく、反対することを求めた。2019年10月6日のインタビューにおいて、レンツィングは牧師たちの請願に対して同意できないことを明らかにした。カスパー・シュレンク=ノツィングと周辺のユンゲ・フライハイト等の右派系出版物とは深いつながりを持っておらず、国家主義的、反民主主義的、極右的過激主義思想とは距離を置いていたと語った。それらの政治勢力に与したことはなく、教会は弱き者たちと保護を必要とする者たちの側に立ち続けなければならないと繰り返し強調した。 2019年10月8日、隣人愛請願の発起人でライプツィヒの牧師であるフランク・マルティンは、レンツィングの以前の言動が記されていた膨大な資料を入手した。10月10日、マルティン牧師はレンツィングにこの資料を送付し、速やかに答えるように求めた。この資料の一部をザクセン州教会事務局もすでに入手していた。10月11日、州教会指導部はこの資料に関してレンツィンクに照会した。 これに対して、レンツィングはザクセン州教会に迷惑がかかることを回避するために、可能な限り早く辞任することをすぐに明らかにした。彼の人となりに関する議論によって、州教会としての結束が壊れてしまった。レンツィンクは辞任に関する内容上の理由を詳しく伝えることなく、学生組合におけるメンバー資格を更新していることを弁護するだけであった。さらに、正しいものと認識するところの保守的立場と価値を代表している存在が自分であるとレンツィングは言い切った。彼は22歳の時、フラグメンテという右派系雑誌に関与したが、そのことを言及せず、30年前に支持していた立場は今や捨てたと語るだけであった。10月12日、複数のメディアが彼の執筆した文書を手に入れた。ドイツ公共放送連盟 (ARD) のアルント・ヘンツェによれば、レンツィングが執筆したテクストは自由な民主主義への軽蔑で一貫しており、権威のあるエリートとフェルキッシュな国家理解を持ち上げていた。
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