居たたまれない

実用日本語表現辞典

いたたまれない

別表記：居たたまれない、居た堪れない

「いたたまれない」とは、じっとしていられないことを意味する表現である。

「いたたまれない」とは・「いたたまれない」の意味

「いたたまれない」は、じっとしていられないという意味の言葉である。恥ずかしい思いをしたため、その場から逃げ出したい、苦手な相手と一緒の気まずい空間で、居心地が悪くて落ち着いていられないなど、幅広い意味合いで使用することができる言葉だ。そして、かわいそうな相手に同情して悲しい気持ちになり、感情を抑えきれず、別の場所で発散したいという意味合いで使用することも可能だ。「いたたまれない」は基本的に、ネガティブな感情を表すために使用する。嬉しくて踊り出してしまいそうのような、ポジティブな意味合いで使用することはない。

「いたたまれない」は、恥ずかしい気持ちや悲しい気持ち、怒りや気まずさなど、感情を表すために使用することが多い。しかし、「いたたまれない」は、ただじっとしていられないという意味である。そのため、「いたたまれない」だけで、悲しさや怒りを表すことは不可能だ。周囲の状況や、前後の文章などで、具体的にどういった感情であるのかがわかる。

「いたたまれない」は、漢字で書くと「居たたまれない」あるいは「居た堪れない」である。しばしば、心が痛むという意味合いの「痛たまれない（いたたまれない）」として使用される場合があるが、誤用表現だ。

「いたたまれない」の語源・由来

「いたたまれない」は、「居る」と「堪れない」という、2つの動詞を組み合わせた言葉である。「堪れない」には、「状態を維持することができない」という意味がある。「居る」の連用形「居」と助動詞「た」、「堪れない」を組み合わせて、「居る状態を維持することができない」という意味の「居た堪れない（いたたまれない）」となっている。

「いたたまれない」の熟語・言い回し

いたたまれなくなるとは

「いたたまれなくなる」は、じっとしていられなくなるという意味の表現である。平常心を保っていた人が、恥ずかしくなったり、同情する気持ちになったりして、いたたまれない状態に変わることを指す。

心いたたまれないとは

「心いたたまれない」は、「いたたまれない」と同義の言葉である。じっとしていられない心境であるという意味で用いられる。また、心が痛むことを意味する「心痛たまれない」として使用されることもある。あくまでも誤用であるが、使用する人は少なくない。

いたたまれない気持ちとは

「いたたまれない気持ち」は、じっとしていられない気持ちを意味する言葉である。じっとしていられないほど恥ずかしい気持ちや、悲しい気持ちなどが、いたたまれない気持ちに該当する。

気持ちを考えるといたたまれないとは

「気持ちを考えるといたたまれない」は、他者の気持ちを考えると、じっとしていられないということを意味する表現である。基本的には、他者に同情する表現として使用する。

「いたたまれない」の使い方・例文

「他人が恥をかいている様子を目にすると、いたたまれない気持ちになる」
「動画サイトで、恥ずかしい動画が流れてきていたたまれなくなったため、すぐにブラウザバックした」
「彼が怒られている様子を見ているのはいたたまれないので、その場を離れることにした」
「苦手な人が部屋に入ってきて、いたたまれない気持ちになったが、私には逃げ場がなかった」
「旧友と再開した時、私の恥ずかしい過去を思い出して、いたたまれなくなった」
「彼が葬儀の会場から出ていったが、おそらくいたたまれなくなったのだろう」
「仲の良い友人2人が喧嘩を始めてしまい、私はいたたまれなくなった」
「私は、いたたまれない時には、すぐにその場を離れて心の健康を保つようにしている」
「動物をテーマにしたドキュメンタリーで、捕食シーンが流れると、いたたまれない気持ちになる」
「あの映像は彼にとってトラウマのはずだが、いたたまれなくならないのだろうか」

（2023年1月31日更新）

いたたまれない

別表記：居たたまれない

平静でいられず、その場に留まることができないような気持ちのこと。人に同情する気持ちや、自分が恥ずかしさを感じている時など、ニュアンスは状況により変わる。「いたたまれない気持ちになる」といった使い方をする。より悲痛な意味合いが強い類義語としては「やるせない」が挙げられる。また、単純に「肩身が狭い」というニュアンスと取った場合、対義語は「居心地がいい」などが考えられる。

（2019年2月13日更新）