尾藤二洲とは? わかりやすく解説

びとう‐にしゅう〔‐ニシウ〕【尾藤二洲】

読み方:びとうにしゅう

[1747〜1814江戸後期儒学者伊予の人。名は孝肇(たかもと)。字(あざな)は志尹。古文辞学朱子学学び寛政異学の禁参画昌平坂学問所教官寛政の三助一人。著「素餐録」「正学指掌」など。びとうじしゅう


びとうじしゅう 【尾藤二洲】

二洲はニシュウとも。江戸中−後期儒者伊予の人。名は肇・孝肇。通称は良佐。別号は約山・流水軒大坂復古学学び、のち朱子学転じ柴野栗山と共に松平定信勧め朱子学以外の学問仕官するのを禁ずる寛政異学の禁」を行う。柴野古賀精里と共に寛政の三博士といわれた。著『中庸首章図解』他。(一七四七~一八一三)→ 寛政異学の禁

尾藤二洲

読み方びとう じしゅう

江戸後期儒者伊予生。名は孝肇、字は志尹、通称を良佐、別号に約山。大坂出て片山北海学び頼春水中井竹山兄弟らと交わる。昌平黌教官となり、陶淵明白居易親しむ。文化10年1813)歿、69才。

尾藤二洲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/25 16:35 UTC 版)

尾藤 二洲(びとう じしゅう/にしゅう、延享2年10月8日1745年11月1日〉 - 文化10年12月4日1814年1月24日〉)は、江戸時代後期の儒学者。名は孝肇、字は志尹、通称は良佐、別号は約山。

柴野栗山古賀精里とともに寛政の三博士と呼ばれる。妻は儒学者飯岡義斎の娘の梅月(直子)。妻の姉が頼山陽の母である頼梅颸であるため、頼山陽は甥にあたる。

人物

伊予国川之江(現在の愛媛県四国中央市)の船頭の子として生まれた[1]が足を病んで家業を継ぐことができなかった[1]。幼時に高津東白より句読を授かった。その後、儒医宇田川楊軒に学び、青年期に讃岐国和田浜(現在の香川県観音寺市豊浜町)の儒医の藤村九皐・合田求吾に学んだ。

24歳より大阪に出て片山北海の門に入り[1]頼春水頼春風頼杏坪兄弟、中井竹山中井履軒兄弟、古賀精里等と共に復古学を学んだ[1]。1791年に昌平黌教官となり[2]寛政異学の禁の後の教学を指導した。陶淵明を好み、晩年には白居易に親しんだ[2]

その性格は「恬淡簡易」と評され[2]、甥の頼山陽と歴史への関心を分け持ち、夜の更けるのも忘れ「喜んで本邦群雄の事跡を談じ」たという。三博士の中ではもっとも詩人の素質に富み、こだわりなく詩を作る。詩は「唐を以て法と為す」べきであるが、陳腐にならないように新しい感覚のある宋詩をも読むべきである、ただし「宋人は雅俗を択ば」ないので模倣しすぎると詩の形を為さなくなる、と考えていた。二洲の詩的感興は、世俗を避ける心と結びついている。冢田大峯が異学の禁に反対する声明を出したときに二洲の門人で動揺するものが少なくなかったことを考え合わせると、二洲自身に権力で学問を統一することを忌む気風があったのではないかと推測される。

その門下には長野豊山近藤篤山・越智高洲・筒井政憲らがいる。

著書に『論孟衍旨』『学庸衍旨』『正学指掌』『称謂私言』『国学指要』がある。青年時代から読書や雑談のうちに思いつくことがあると、机にある紙片にその思いつきを書きとどめる習慣があり、それらの断片を整理配列したのが『素餐録』(そさんろく)・『静寄余筆』(せいきよひつ)・『冬読書余』(とうとくしょよ)である。

大正4年(1915年)、従四位を追贈された[3]

著作

脚注

  1. ^ a b c d 松村操『尾藤孝肇』巌々堂〈近世先哲叢談 正編巻上〉、1880年、29頁https://dl.ndl.go.jp/pid/777653/1/35 
  2. ^ a b c 松村操『尾藤孝肇』巌々堂〈近世先哲叢談 正編巻上〉、1880年、30頁https://dl.ndl.go.jp/pid/777653/1/36 
  3. ^ 田尻佐 編『贈位諸賢伝 増補版 上』(近藤出版社、1975年)特旨贈位年表 p.35

参考文献

関連項目

外部リンク




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