少尉任官以後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/09 00:11 UTC 版)
少尉候補者は学生としての教育と士官勤務を終え少尉任官以後は現役将校として士官候補生出身者と同等であり、制度上は中尉、大尉、あるいはさらに上位への進級も可能である。しかし兵、下士官と階級を経てきたために士官候補生出身者よりも年齢が高く、30代半ばが少尉任官の一般的な年齢であった。そのため進級が遅かった大正から昭和初期の平時においては、佐官に到達するまでに現役定限年齢(定年)となり予備役へ編入されることが通常となっていた。また高級将校、あるいは将官への登竜門といえる陸軍大学校の受験資格はあったが、結果として少尉候補者出身の将校から陸軍大学校へ入校した者はいなかった。 第1期の兵科少尉候補者は205名が1921年(大正10年)11月29日に陸軍士官学校を卒業し、少尉任官は翌年2月28日であったが、最も進級が早い者でさえも中尉任官は1925年(大正14年)2月、大尉任官は1931年(昭和6年)8月である。1934年(昭和9年)9月時点で歩兵科の少尉候補者第1期は14名の大尉が確認できるが、満年齢は47歳から最若年でも43歳で、兵科大尉の現役定限年齢48歳は目前となってしまい、翌年9月までに7名が予備役へ編入されている。1936年(昭和11年)9月時点で少尉候補者第1期出身の現役歩兵大尉は3名だけが確認できる。 1937年(昭和12年)7月に勃発した日中戦争から太平洋戦争と続く戦時には軍全般において進級が早まり、終戦時点での陸軍編制では少佐として大隊もしくは大隊相当部隊の隊長をつとめる少尉候補者出身将校は多数確認でき、中佐として師団高級副官に任じられている者も複数存在する。
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