対策・提言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 06:14 UTC 版)
「モンスターペアレント」の記事における「対策・提言」の解説
モンスターペアレントについての対策は、様々な論者によって提言が行われている。小野田正利は、保護者の「いちゃもん」を額面通りに受け取るのではなく、その要求によって保護者が「実際には何を求めているのか」を察知し、可能な解決策を探るという手法を提言している。また、喜入克はこうしたモンスターペアレントの対応は個々の教職員や学校では不可能であるとし、教育委員会内にモンスターペアレント対応専門のチームを設置することを提案している。 教育再生会議は喜入の考え方に近く、2007年6月1日に決定した第2次報告の中で「学校問題解決支援チーム(仮称)の設置」を提言している。また、学校協議会等地域社会と学校との連携を図る試みも行われている。教職員が個人で訴訟費用保険(教職員賠償責任保険)に入るケースも増加しており、2007年には東京都の公立校の教職員の3分の1がこうした保険に入っていると報道された。2007年7月12日付の毎日新聞記事によれば、都教員の訴訟費用保険加入数は2000年から2007年の間に1,300人から21,800人へと激増したとされる。この保険は、教職員の不法行為による被害者への個人賠償責任保険に加えて、不法行為の有無に関わらず訴訟を起こされた際の訴訟費用も負担する。文部科学省は2007年7月、全国の教育委員会から具体的なモンスターペアレント対策施策案を募り、それらの中から10の自治体を選んで2008年度に実施させて、その費用の8割を国の予算から補助するという計画を発表した。 経営コンサルタントの本間正人は モンスターペアレントやモンスターペイシェントとは、普通の人間がモンスター化している状態であり、彼らも常にモンスターというわけではない モンスター化した人の被害を受けた人も、いつか自身がモンスター化しないとも限らない との立場に立ち、企業内における人材育成の方法論を応用して、 一対一では対応しない 必ず詳細な記録を取り、可能な限りやりとりを録音する 相づちを打つ際には、決して相手の言うことに同意していると思われるような言葉を使わない など、こうしたモンスター化した保護者への対応マニュアルを作成している。 なお、「モンスターペアレント」という言葉を作った向山洋一率いるTOSSは、モンスターペアレントなどからの訴訟に対応する「TOSS教職員賠償責任保険」なる事業を始めている。
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