家政機関
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 05:44 UTC 版)
平安時代以降の院、女院、親王家、摂関家以下の公卿の家政を担当する院司・家司の上首(長官)のこと、後にそれらの家に設置された政所 、侍所などの家政機関の長に対しても用いられた。 院司や家司は本来、別の官職を持つ貴族・官人であったが、設置者との私的なつながりによって任命された。延暦23年(804年)に無品親王家に別当設置が認められ、嵯峨天皇の譲位後に自己の後院である冷然院に別当を配置した(南淵永河・安倍安仁、院司の始まり)。10世紀には諸院・諸家が政所以下の家政機関を持つようになった。『西宮記』には院司の別当には公卿及び天皇在位時の蔵人頭が任じられる慣例になっていたことが記されている。平安時代初期の院司は1・2名であったが、院政期には数十名、江戸時代でも10名前後の院司別当が設置され、別当の中でも筆頭格の執事・執権や実務の中心となる年預、また院庁支配下の諸所別当などが置かれ、また身分によって「公卿別当」「四位別当」などの格付けが定められた。また、摂関家でも政所のみならず、摂関(藤氏長者)が統括する御厨や勧学院を始めとした大学別曹にも別当が設置された。親王家の場合には特に天皇によって任じられた勅別当が置かれる場合があった。 なお、鎌倉幕府の行政機関である政所、侍所などの長官を「別当」と称するのも、それらの機関が初代将軍源頼朝の家政機関が転じて鎌倉幕府の行政機関になったことに由来している。
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