家屋‐樹木‐人物画法テスト(HTP)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 11:10 UTC 版)
「アートセラピー」の記事における「家屋‐樹木‐人物画法テスト(HTP)」の解説
家屋‐樹木‐人物画法テスト(HTPテスト/House-tree-person-test) は、人格の側面を測定するように設計された射影テストである。このテストは、脳障害と一般的な精神的機能を評価するのに用いることもできる。投影テストであるので、HTPの結果は主観的で、試験の管理者によって解釈される余地がある。HTP は知能検査のグッドイナフスケール(グッドイナフ人物画知能検査/DAM/Goodenough draw-a-man intelligence test(英語版))を基にジョン・バックランド(John Buckand)によって作られた。バックは、HTPに知的能力の質的かつ量的測度の両方を含めた。350ページのマニュアルは量的であるというよりも、主観的なHTPの適切な等級付けを指導するためにバックランドによって書かれた。 彼と対照的にゾルターン・ヴァシュ(Zoltán Vass )は、システムの分析に基づいて、より洗練されたアプローチを発表した。(SSCA 、Seven-Step Configuration Analysis) テストの実施: HTPは3歳以上の人が対象となり、被験者の精神機能のレベルに基づいて、150分間以内で完成させる。最初のフェーズで、被験者は家と木および人を描くように指示され、それぞれの絵について実施者が質問をする。バックによって作られたオリジナルの60の質問があるが、アートセラピストや訓練された実施者は自分たちで質問を作ることができる。このフェーズは、クレヨンを使って行われる。HTPの2番目のフェーズでは、被験者は同じ絵を鉛筆かペンで描く。再び実施者はその絵について同じ質問をする。(注:一部のメンタルヘルスの専門家は、1つか2つのフェーズを行い、必要に応じて筆記用具を変更することがある。このテストのバリエーションは、男女を一人ずつ描くか、一枚のページに全てを描くように求められる。) 関連する質問の例: 家について:だれがここに住んでいますか? 住んでいる人は幸せですか? 何が家の中で起こっていますか? 夜になるとはそれはどのようですか? 人々はその家を訪れますか? その家の人々は何をこの絵に加えたがっていますか? 木について:この木はどんな木ですか?樹齢は何年ですか?季節はいつですか?誰かがそれを切ろうとしましたか?近くに何が生えていますか?誰がこの木に水をあげていますか?木は生きるために日光を必要としますが、その木は十分に日があたっていますか? 人の絵を描いた後:この人は誰ですか?この人は何歳ですか?彼らは何をするのが好き、または嫌いですか?誰かが彼らを傷つけようとしましたか?誰が彼らに気を配っていますか? 結果の解釈: 家屋‐樹木‐人物画法テストの知能の数量的な測定は、WAISなどの確立された知能テストと相関することが明らかにされている。 被験者の回答と図画の主観的な分析は、パーソナリティ特性と過去の経験の推論をすることを目指している。主観的な性質という面でHTPは、他の定性検査と同様、その信頼性または有効性を支持する実証的証拠がほとんどない。しかし、このテストはまだ脳障害のかなり正確な判断の基準であると見なされていて、脳障害で苦しんでいる統合失調症患者の評価においても使われている。
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