実際の第二次世界大戦下のドイツや日本との差異
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 17:00 UTC 版)
「アドルフに告ぐ」の記事における「実際の第二次世界大戦下のドイツや日本との差異」の解説
SDに所属できる一般親衛隊隊員は純粋アーリア系であることを家系の3代以上前まで遡って証明することが絶対条件の一つで、日系ハーフであるカウフマンが入隊することは原則不可能だった(親衛隊 (ナチス)#親衛隊員についてを参照)。そのことを意識してか、手塚は作中でカウフマンを「ヒトラーのお気に入りのため異例の抜擢をあずかった」という但し書きのような描写を付け加えている。一方、ゲシュタポ隊員である駐日ドイツ大使館のリンドルフ一等書記官が、腕きき諜報員のヴォルフガング・カウフマンやオイゲン・オット大使を若いながら威圧するなど、親衛隊幹部は若くても出世が早いという表現は事実に即している。 ただし、カウフマンの作中で言及されている限りでの最終階級は親衛隊中尉であるが、1928年生まれであることを考えると敗戦時でも20歳未満に過ぎず、いくら出世が早い親衛隊でも無理があり、矛盾している。 ヒトラーユーゲントがユダヤ人の家屋を破壊し、さらには処刑する場面が登場するが、実際に彼らが組織的にユダヤ人迫害やホロコーストに関与した事実は無い(団員個々人の行為に関してはこの限りではない)。 真珠湾攻撃を行う空母「赤城」が建造当初の三段飛行甲板に描かれているが、実際の真珠湾攻撃時点での「赤城」は、すでに全通飛行甲板(一段)に改装されていた。 カウフマンは北極回りのルートの潜水艦で日本に戻っているが、当時の潜水艦が北極海の氷の下を突破して航海することは不可能である。史実の遣日潜水艦作戦は大西洋・インド洋経由でおこなわれた。また、潜水艦同士の戦闘描写があるが、大戦において実際に潜航中の潜水艦同士が交戦した事例は、1945年2月9日にイギリス潜水艦「ヴェンチャラー」がU-864(英語版)を撃沈した一例(英語版)しかない。また、使用された潜水艦はU-103とされているが、史実の同艦が日本に派遣された記録はない。
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