実際の系におけるラシュバ相互作用の見積もり – 強結合的なアプローチとは? わかりやすく解説

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実際の系におけるラシュバ相互作用の見積もり – 強結合的なアプローチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 15:10 UTC 版)

ラシュバ効果」の記事における「実際の系におけるラシュバ相互作用の見積もり – 強結合的なアプローチ」の解説

この節では、 強結合モデル用いて微視的にラシュバパラメータ α {\displaystyle \alpha } を見積もる方法述べる。単純には、2次元電子ガス(2DEG)を構成する巡回電子原子p軌道s軌道から生成される。簡単のために、 p z {\displaystyle p_{z}} バンドホール考える。この描像では電子は Γ {\displaystyle \Gamma } 点近く僅かなホール除いてp状態を埋める。 ラシュバ分裂を得るために必要なものは、原子スピン軌道相互作用 H S O = Δ S O L ⊗ σ {\displaystyle H_{\mathrm {SO} }=\Delta _{\mathrm {SO} }\mathbf {L} \otimes {\boldsymbol {\sigma }}} , と2次元平面垂直な方向への非対称ポテンシャルである。 H E = E 0 z {\displaystyle H_{E}=E_{0}\,z} ポテンシャル対称性の破れ引き起こす主要な効果等方的p z {\displaystyle p_{z}} , p x {\displaystyle p_{x}} , p y {\displaystyle p_{y}} バンドの間にバンドギャップ Δ B G {\displaystyle \Delta _{\mathrm {BG} }} を作ることである。副次的な効果としては、 p z {\displaystyle p_{z}} バンドp x {\displaystyle p_{x}} 、 p y {\displaystyle p_{y}} バンド混成させる。この混成強結合近似の下で理解されるサイト i {\displaystyle i} にありスピンが σ {\displaystyle \sigma } であって p z {\displaystyle p_{z}} 軌道にある状態が、サイト j {\textstyle j} にありスピン σ ′ {\displaystyle \sigma '} で p x {\displaystyle p_{x}} 軌道または p y {\displaystyle p_{y}} 軌道にある状態 に移る飛び移り要素は、 t i j ; σ σ ′ x , y = ⟨ p z , i ; σ | H | p x , y , j ; σ ′ ⟩ {\displaystyle t_{ij;\sigma \sigma '}^{x,y}=\langle p_{z},i;\sigma |H|p_{x,y},j;\sigma '\rangle } , で与えられる。ここで H {\displaystyle H} は全ハミルトニアンである。対称性を破る電場無ければ、すなわち H E = 0 {\displaystyle H_{E}=0} であれば飛び移り要素対称性により消える。しかし、 H E ≠ 0 {\displaystyle H_{E}\neq 0} であれば飛び移り要素有限の値を持つ。例えば 、最隣接サイト間の飛び移り要素は、 t σ σ ′ x , y = E 0 ⟨ p z , i ; σ | z | p x , y , i + 1 x , y ; σ ′ ⟩ = t 0 s g n ( 1 x , y ) δ σ σ ′ {\displaystyle t_{\sigma \sigma '}^{x,y}=E_{0}\langle p_{z},i;\sigma |z|p_{x,y},i+1_{x,y};\sigma '\rangle =t_{0}\,\mathrm {sgn} (1_{x,y})\delta _{\sigma \sigma '}} , である。ここで 1 x , y {\displaystyle 1_{x,y}} はそれぞれ x , y {\displaystyle x,y} 方向単位長さで、 δ σ σ ′ {\displaystyle \delta _{\sigma \sigma '}} はクロネッカーのデルタである。 ラシュバ効果はアップスピンのホールが、例えば状態 | p z , i ; ↑ ⟩ {\displaystyle |p_{z},i;\uparrow \rangle } から | p x , y , i + 1 x , y ; ↑ ⟩ {\displaystyle |p_{x,y},i+1_{x,y};\uparrow \rangle } へと振幅 t 0 {\displaystyle t_{0}} で遷移して、スピン軌道相互作用用いてスピンフリップを起こして | p z , i + 1 x , y ; ↓ ⟩ {\displaystyle |p_{z},i+1_{x,y};\downarrow \rangle } へと振幅 Δ S O {\displaystyle \Delta _{\mathrm {SO} }} で戻るというような2次摂動として理解できる。ここで全てのホール飛び移りスピンフリップすることに注意しよう。この摂動論におけるエネルギー分母はもちろん Δ B G {\displaystyle \Delta _{\mathrm {BG} }} になり、 α ≈ a t 0 Δ S O Δ B G {\displaystyle \alpha \approx {a\,t_{0}\,\Delta _{\mathrm {SO} } \over \Delta _{\mathrm {BG} }}} , となる。ここで a {\displaystyle a} は格子定数である。この結果は前の節で導いたナイーブな結果よりも数ほど大きい。

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