宗家秘話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 14:16 UTC 版)
時の北斗の高僧達が望む「覇者は一人」という思いと裏腹に、宗家は男児に恵まれず、当時、北斗宗家の血を引く者は姉・オウカと妹・シュメの美人姉妹だけとなっていた。そして同時に二人は男児を産んだ。それがオウカの子・リュウオウとシュメの子・シュケンである。 高僧達は宗家の跡継ぎ選びに苦慮し、かつて北斗宗家の始祖が神より剣を授けられた聖地・光天台に2人の乳飲み子を置き、飢えた狼の前に晒すことで天の声を聞こうとした。だが病のため死が迫っていたシュメはシュケンが母を失い、自分の命まで失うことを悲しむあまり、我が子を生かすために光天台から連れ去るという暴挙を犯した。その直後、残されたリュウオウは狼に襲われるも密かに全てを見届けていた高僧達に救われる。そしてシュメはオウカや高僧達に見つかり、吐血しながら自らの思いを訴え、オウカに謝罪した。この事態に高僧達は宗家伝承者をリュウオウにすると決めるも、シュメの思いに心を打たれたオウカはシュケンに宗家を継がせるように言う。これに対し高僧達は反発するも、オウカは命をかけての願いと言うと、自ら谷底に身を投げ、命を落とした。その姿にシュメと高僧達は涙し、シュメとオウカ2人の愛を受けたシュケンが伝承者に相応しいと悟った。 こうして2人の深い愛によって生かされたシュケンはその愛を受けて育ち、生涯これを忘れることはなかった。長じた後に北斗宗家を継いだシュケンは、不敗の暗殺拳である北斗神拳を創始した。 一方、2人の愛に見放されたばかりか母無し子にされたリュウオウは誰からも愛されずに育ち、愛の意味どころか、愛というものが何であるかすら知ることはなかった。長じた後も北斗宗家の陰へと追いやられたリュウオウは、愛に見放された不遇の生涯を閉じることとなる(下述されているが、子孫は残したようである)。 シュケンは、生まれてすぐに理不尽極まりない不遇を背負わされたリュウオウを危惧していた。そして、いずれリュウオウの子孫が愛に彷徨することを予感し、自らの子孫に対して「誰かが愛を説かねばならぬ」と遺言を残している。事実、ラオウとトキは恋に恵まれず(後に二人とも愛は知った)、カイオウに至っては母親を眼前で亡くしたことから愛そのものに見放され、それが北斗宗家への苛烈な憎悪へとつながる決定打となってしまった。そして、長い年月の間にリュウオウの子孫は自らに北斗宗家の血が流れていることを忘れ、核戦争前の時代に至ってはカイオウはジュウケイより、「北斗宗家に仕える屑星」とまで定義されてしまった。 テレビアニメでは第150話(『北斗の拳2』41話)でこの秘話が映像化され、千葉繁のナレーションによって語られた。オウカの声を1でトウ(海のリハクの娘)を演じた土井美加が、シュメの声を1でユリアを演じた山本百合子が担当し、リュウオウとシュケンはイメージ映像のみでセリフはない。また、北斗琉拳を創始したのがリュウオウとされている。ただしその後に刊行された『公式 北斗の拳VS蒼天の拳 オフィシャルガイドブック』との公式設定とは齟齬が生じている(後述)。
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