安全性への対応とミニバン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 08:29 UTC 版)
「ワンボックスカー」の記事における「安全性への対応とミニバン」の解説
その後日本の普通車では、一時期、乗用と商用を共通化したモデル やSUVとプラットフォームを共用するモデル で縦置きエンジン・後輪駆動方式のセミキャブオーバー化が見られたが、より衝突安全性、操縦安定性、乗り心地に優れ、多くの車種との設計・コンポーネンツの共用化で開発・生産コストが低い前輪駆動方式のミニバン へと移行して行き、乗用登録でキャブオーバーの車種は、クラッシャブルゾーンを確保する車体寸法に余裕のある車種のみと、非常に少なくなっている。 日本では乗員数の多い普通車が市場に受け入れられセダンに代わる乗用車のマーケットとなった事や、世界的な衝突安全性への対処のため、商用車をベースとしたキャブオーバースタイルのワンボックス乗用車から、ワンボックスカー並の座席数を確保できるミニバンへと乗用車開発の軸足を移し、購入層もそれらに新味とメリットを見出したことで、ワンボックス乗用車からミニバンへと移行していった。 普通乗用車ではミニバンの定着にともないワゴンとの区別、また商用車では車体サイズによる2ボックススタイルとワンボックススタイルの棲み分けによる双方の区別、がマーケティングの上で重要性を持たなくなったため、ワンボックスカーという呼称がカテゴリ区分から姿を消しつつある。このため、商用車が主体となったワンボックスカー相当の車に対して、一部の自動車メディアではトラック業界でパネルバンを表す箱車という用語も使われている。ただし、壮年期以上の世代は今でも「ワンボックス(タイプ)」の呼称をこれらの車に対して使うことが多い。 軽乗用車では車体寸法の制約から、エンジン搭載位置を前席下とするキャブオーバーの他リアエンジンやアンダーフロア式ミッドシップを踏襲し、操縦安定性と衝突安全性向上のため前輪を前進させ短いが明瞭なボンネットを持つセミキャブオーバータイプのボディーとした軽商用車とその派生車種の軽乗用車が引き続き生産されている。これらの車種は、従来のワンボックスカーのエンジン配置構造のまま前輪位置変更とクラッシャブルゾーンの付加が行われたことや、ミニバンとすると軽トールワゴンのポジションが不明瞭になることなどから、スズキ以外の各社は ワンボックスカーかミニバンかはマーケティング上明確にしていない。
※この「安全性への対応とミニバン」の解説は、「ワンボックスカー」の解説の一部です。
「安全性への対応とミニバン」を含む「ワンボックスカー」の記事については、「ワンボックスカー」の概要を参照ください。
- 安全性への対応とミニバンのページへのリンク