安全性への懸念と対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 00:40 UTC 版)
2000年には民間団体の薬害オンブズパースン会議が、過剰服用後に腸管壊死を起こした臨床例があることなどを受けて、正露丸など木クレオソート製剤の常用量と中毒量の近さなどを問題視し、厚生省と製造販売各社に販売中止の要望書を提出した。これに対し厚生省は調査し問題があれば指導するとし、製造元は回答しなかった。その後大幸薬品は木クレオソートに関する学術論文の発表などを通じ、発がん性の否定、忍容性が高いこと、対照実験による有効性のエビデンス、腸の蠕動を止めずウイルスなどの自然排出を妨げないことなど、同団体が問題視していた同様の点についても見解を示したが、フェノール成分の腐食性により皮膚・粘膜への長時間接触に注意が必要であることは認めている。 2002年には腸炎患者の大腸内に、正露丸と思われる刺激臭のある6mm大の黒色球状物を確認し、強い炎症が起こっていたという症例報告もある。丸薬細粒化や、糖衣錠(扁平錠~本草製薬)化して改良している物もある(いずれの製品も大きな丸薬に比べ消化器官内で膨潤しやすく崩れやすい)。なお大幸薬品のデータによれば、丸剤は水中で約45分、糖衣錠は約20分、液体カプセル剤は約6分で溶解する。
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