好アンモニア性植物と好硝酸性植物の利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 08:14 UTC 版)
「アクアポニックス」の記事における「好アンモニア性植物と好硝酸性植物の利用」の解説
例えば、植物には、アンモニア、亜硝酸、硝酸をそれぞれ、直接肥料成分として利用できるものがある。作物分類の中では、好アンモニア性植物、好硝酸性植物という分類がある。好アンモニア性植物には、イネ、チャ、クランベリー、ブルーベリー、サトイモ、パイナップルなどがあり、アクアポニックスでよく利用されるレタスは好アンモニア性植物である。 一方好硝酸性植物としてはトマト、タバコ、トウガラシ、アズキ、ジャガイモ、エンドウ、ソラマメ、カブ、キャベツ、ハクサイ、ダイコン、カラシナ、ビート、ホウレンソウ、キュウリ、タマネギ、ライムギ、ソバ、ワタなどがあり畑作物の多くは好硝酸性植物である。 レタスを栽培に使うことは、硝酸を吸わせているというより糞尿から発生するアンモニアを直接レタスに吸収させていると理解する方が適切である。従って好アンモニア性植物と好硝酸性植物を知っていれば栽培に用いる作物の選定や水質の効果的な管理に利用することができる。また、硝化前のアンモニアを直接植物に吸わせることは硝化に必要なエネルギーを少なくすることにつながる。水温の低下する季節や環境では、硝化細菌の働きが極端に低下するため好アンモニア性植物の利用を理解することは特に重要である。 好アンモニア性植物と好硝酸性植物に関しては、アクアポニックスではほとんど用いられていない知識だが、これらの知識を知ることで、より深くアクアポニックスシステムを活用できるようになる。 アクアポニックスに好アンモニア性植物と好硝酸性植物という植物分類を組合せるという考え方は、飯島朗(飯島アクアポニクス)島田敏(島田設備株式会社)が国内では初めて提唱したものである。飯島らが2018年に第17回世界湖沼会議(いばらき霞ヶ浦2018)において配布資料として作成した小冊子 AQUAPONICS TECHNIQUE BOOKLET ~Further Aquaponics Technique~つくば3Eフォーラム バイオマスタスクフォース 研究プロジェクト 飯島アクアポニクスチーム)で紹介している。
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