女性器切除
【英】:Female Genital Mutilation
FGM(女性性器切除)は2500年以上も前にその起源を持つ伝統的慣習であるが、現在もアフリカを中心とした28ヶ国で実施され、現在生存する8千〜1億4千万人の女性がこれをすでに受け、年間200万人前後の少女に実施されていると推定される(WHO/UNFPA 1995)。女子の割礼として一部で知られていたが、近年やっとその実態が明らかになるとともに、1980年代後半から廃絶をのぞむ運動がアフリカ現地の女性医療従事者やそれを支持する世界の女性運動の中で高まった。その実態は男子の割礼以上に過酷なものであるために、割礼(Circumcision)とは呼ぶべきではないという意見が強い。定義は、「文化的理由あるいは非治療的理由による、女性外性器の一部または全体の切除や縫合、再切除、再縫合など女性性器へのその他の損傷も含めた全ての障害行為」とされ、クリトリスのみを切除するタイプI(スンナ、クリトリデクトミー)、タイプIに小陰唇の一部または全体の切除がともなうタイプII(エクシジョン)、クリトリス、小、大陰唇の一部または全体を切除したのち、縫合し膣口を狭めるタイプIII(インフィビュレーション)に分類されている。行なわれる時期は、生後数日から8‐10歳、初潮期、時には結婚直前、妊娠中や出産前のこともある。実施するのは、伝統的産婆、床屋、鍛冶屋で、ほとんどの場合麻酔や消毒なしに行なわれるが、近代医療者が病院で行なうFGMの「医療化」も進行している。合併症と妊娠・出産への影響については、これまでの報告を詳細に調べたWHOのSystematic review(2000)がある。(若杉なおみ)
参考資料:FGMの起源と文化−女性の健康とジェンダー・セクシュアリティの視点から−(地域研究 6巻1 2004)
FGM(女性性器切除)は2500年以上も前にその起源を持つ伝統的慣習であるが、現在もアフリカを中心とした28ヶ国で実施され、現在生存する8千〜1億4千万人の女性がこれをすでに受け、年間200万人前後の少女に実施されていると推定される(WHO/UNFPA 1995)。女子の割礼として一部で知られていたが、近年やっとその実態が明らかになるとともに、1980年代後半から廃絶をのぞむ運動がアフリカ現地の女性医療従事者やそれを支持する世界の女性運動の中で高まった。その実態は男子の割礼以上に過酷なものであるために、割礼(Circumcision)とは呼ぶべきではないという意見が強い。定義は、「文化的理由あるいは非治療的理由による、女性外性器の一部または全体の切除や縫合、再切除、再縫合など女性性器へのその他の損傷も含めた全ての障害行為」とされ、クリトリスのみを切除するタイプI(スンナ、クリトリデクトミー)、タイプIに小陰唇の一部または全体の切除がともなうタイプII(エクシジョン)、クリトリス、小、大陰唇の一部または全体を切除したのち、縫合し膣口を狭めるタイプIII(インフィビュレーション)に分類されている。行なわれる時期は、生後数日から8‐10歳、初潮期、時には結婚直前、妊娠中や出産前のこともある。実施するのは、伝統的産婆、床屋、鍛冶屋で、ほとんどの場合麻酔や消毒なしに行なわれるが、近代医療者が病院で行なうFGMの「医療化」も進行している。合併症と妊娠・出産への影響については、これまでの報告を詳細に調べたWHOのSystematic review(2000)がある。(若杉なおみ)
参考資料:FGMの起源と文化−女性の健康とジェンダー・セクシュアリティの視点から−(地域研究 6巻1 2004)
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