伝統的産婆
出産時に母親に付き添う人であり、独自の経験、あるいは他の伝統的産婆に弟子入りすることによって出産介助技術を身につけた人であり、コミュニティでの妊娠、出産、産褥期のケア提供者である。専門的に教育された医師や助産師のような保健医療専門職者とは異なり特に資格はない。国によっては法律で無資格の伝統的産婆の出産介助を禁止している国もあるが、訓練を受けて正式な保健医療システムの中において活用している国もある。その役割は、出産時の付き添い、沐浴、マッサージ、家事雑事、産褥期の女性と新生児の世話などである。噂や口コミで人を寄せ、数件から百数件の出産を扱う。開発途上国における出産の主要なケア提供者であり、44カ国を対象にした調査では、出生200,633件中24%(1〜66%)にTBAが関わり、家族間での出産介助も含めると43%(1〜89%)に関わっているとの報告がある。
TBA対象の訓練は、1970年より開発途上国での妊産婦や新生児の疾病や死亡率低下やリプロダクティブヘルス向上のため、近代保健医療や地域との連携や能力の向上を目的として政府や国際機関、NGOなどで実施された。その効果に関して1990年代より検討され、統計的に効果が見られないか不明瞭であるが、検討方法の難しさや系統だった評価に予算を投入してこなかったこともあり、その評価に関しては今後さらなる検証の必要性が指摘されている。(田村康子)
参考資料:
Sibley L, Sipe TA, Brown C.Traditional birth attendant training for improving health behaviours and pregnancy outcomes. Cochrane Database of Systematic Reviews 2005, Issue 3. Art, No.:CD005460. DOI: 10.1002/12651858.CD005460
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