人間貧困指数
人間開発指数(HDI Human Development Index)が人間開発の達成度を示すのに対し、人間貧困指数(HPI Human Poverty Index)は基本的な人間開発の剥奪(Deprivation)の程度、つまり、短命、初等教育の欠如、低い生活水準、社会的排除について測定した指数である。開発途上国を対象としたHPI-1と、経済協力開発機構の国々を対象としたHPI-2の二つがある。具体的には、40歳(HPI-1の場合)または60歳(HPI-2の場合)未満で死亡する確率、成人の非識字率、安全な水資源を利用できない人口の割合と5歳未満の低体重児の割合との平均(HPI-1の場合)、貧困所得ライン以下で生活する人々の割合(HPI-2の場合)、長期失業者の割合(HPI-2のみ)の変数をもとに計算される。
Human Development Report 2007/2008で発表された数値によると、日本はHDIで第8位にランクしているが、HPI-2では長期失業者の割合が高いことも影響し第12位となっている。
所得だけに着目した場合に忘れがちな側面を組み合わせ一つの貧困指数にまとめたことにより、貧困を測定する上でのもう一つの有用な測定法であると考えられている。(白山芳久)
参考資料:United Nations Development Programme, Human Development Report 1997, Oxford University Press for UNDP, New York, 1997,(邦訳『人間開発報告1997』国際協力出版会)
人間貧困指数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/04/19 04:48 UTC 版)
人間貧困指数(にんげんひんこんしすう、Human Poverty Index、HPI)は、国際連合開発計画の人間開発報告書で報告される人間開発指数の一つ。狭義の人間開発指数が3つの基本的側面を側面の平均達成度を測定するのに対し、人間貧困指数では喪失状況を測定する。また、人間貧困指数には発展途上国の人間貧困指数(HPI-1)と特定OECD国の人間貧困指数(HPI-2)がある。
発展途上国の人間貧困指数
発展途上国の人間貧困指数は以下の指標から計算される。
- 長寿で健康な生活
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- 40歳まで生存できない出生時確率
- 知識
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- 成人識字率
- 人間らしい生活水準
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- 改善された水資源を利用できない人の割合
- 年齢のわりに低体重子供の割合
- 医療サービスを受けることが出来ない人の割合
特定OECD国の人間貧困指数
特定OECD国の人間貧困指数は以下の指標から計算される。
- 長寿で健康な生活
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- 60歳まで生存できない出生時確率
- 知識
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- 機能的識字能力に欠ける成人の割合(機能的非識字)
- 人間らしい生活水準
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- 貧困ライン以下で暮らしている人の割合
- 社会的疎外
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- 長期失業率
2007年の結果
2007年の人間開発報告書では以下の19国のHPI-2が算出された。
外部リンク
- 人間開発報告オフィス(英語)
- 2006 国連人間開発指数報告書(PDF)(英語)
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