女性の落語家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 01:19 UTC 版)
昭和後期になるまで、正式にプロの落語家に入門・団体に所属する女性落語家は存在しなかったが、1975年に上方落語の2代目露乃五郎(後の2代目露の五郎兵衛)に入門した露の都が初のプロの女性落語家とされる。当時は「落語は男がやるもの」という観念が強く、都は五郎に何度か断られた末に入門している。 その後、江戸落語でも落語協会では1981年に3代目三遊亭圓歌に入門した三遊亭歌る多(当時:歌代)が初の女性落語家となり、1993年には古今亭菊千代とともに女性落語家として初の真打に昇進している。歌る多・菊千代は当初は「女真打」として別枠であったが、2002年に女真打枠が撤廃され、通常の真打として男性と同列に扱われるようになった。 落語芸術協会は、1986年に桂右團治(当時:小文)が10代目桂文治に入門、2000年に真打に昇進したのが初となる。 落語立川流は、2006年に立川こはるが立川談春門下に入門したのが初である。 円楽一門会は設立以来、長らく女性の落語家が在籍していなかったが、2022年に三遊亭竜楽に入門した三遊亭たつみが円楽一門会では初の女性落語家となった。 2022年現在では東西併せて女性の落語家は50名を超えており、真打制度のある江戸落語2団体で14人が真打に昇進している(落語協会10名、落語芸術協会4名。2022年3月現在)。現在では歌る多が落語協会の理事に就任しており、菊千代は初めて女性の弟子(古今亭駒子)を真打に育てた(歌る多も同様に女性の弟子である弁財亭和泉、三遊亭律歌を真打に育てている)。都も複数の女性の弟子を入門させている。また、弁財亭和泉のように夫妻で落語家の真打となった者もいる(夫は柳家小八)。 江戸落語のうち、毎年1月の新宿末廣亭の余一会では、昼夜を通じて落語協会所属の女性落語家がほぼ出演する「落協レディース」の特別興行が恒例となっており、定席以外でも江戸落語の所属団体横断のユニット「落語ガールズ」の落語会が定期的に開催されている。 2021年のNHK新人落語大賞では、上方落語協会所属の桂二葉が女性として初めて大賞を獲得している。
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