失職・収監
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2010年2月22日、最高裁判所第三小法廷(堀籠幸男裁判長)は旅田の上告棄却を決定した。旅田は同月25日、市議会厚生委員会を欠席し、大阪市内で担当弁護士と会い、今後について相談。収監後も獄中から無実を訴え、再審請求する方針を表明した。同月、1、2審の実刑判決が確定し、地方自治法・公職選挙法の規定により旅田は市議を自動的に失職した。公職にある者が在職中に収賄罪で実刑となった場合、公職選挙法の規定により刑期中と刑期終了後10年間は公民権停止(選挙権と被選挙権を失う)となる。公民権停止解除は早くとも70歳代後半となる見込みで、事実上政治生命は絶たれた状況となった。一方後援会・支持者などは「冤罪被害者 元和歌山市長 旅田卓宗氏を救う会」を結成し、引き続き旅田の活動を支援する体制を取った。 同年3月30日、旅田は和歌山地方検察庁に出頭し、大阪刑務所丸の内拘置支所(和歌山市)に収監された。出頭に際し「政治生命は絶たれた」と語り、政界から身を引く意向を表明した。しかし賄賂については「裁判で贈賄が行われたとされた日に元建設会社社長が来訪していないことを証明する市長来訪名簿のフロッピーデータがある」と主張して物的証拠の存在を示し、「1円も受け取っていない」となお冤罪と訴え、「獄中から無実を訴えていきたい」と語った。贈賄罪で有罪が確定した元建設会社社長に対し、事実と違う供述をしたとして損害賠償を請求する民事裁判を起こすことも明らかにした。また背任に問われた石泉閣について「市議会の再三の議決に基づいて決定した事項は執行する義務がある」と再度主張。違憲判決であるとしてこちらについては憲法訴訟を起こす意向を明らかにした。同年5月28日、加古川刑務所に移送、収監された。刑期中は獄中から「旅田卓宗氏を救う会」関係者に手紙を出し、関係者によりブログ「旅田卓宗の獄中日記」の執筆などを行った。獄中でも無実を訴えていたことから仮釈放は認められなかったという。
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