天王星
太陽から遠くはなれたみどり色の星
天王星は土星の外側を回る惑星(わくせい)です。太陽からは、土星までの約2倍の距離、29億kmもはなれています。地球からは大型の望遠鏡でもはっきり見えません。みどり色にぼんやり見えるのは、大気にメタンが多くふくまれているからと考えられています。直径は地球の4.1倍ほど、重さは約15倍あります。土星や木星と同じように水素とヘリウムからできています。合計11個の輪ももっています。
天王星は横になって太陽のまわりを回っている
天王星の大きな特徴に、自転軸に対して公転軸が98度もかたむいていることがあげられます。つまり天王星は横だおしになって、ごろごろと転がるようにして太陽のまわりを回っているのです。このため、天王星の北極や南極の真上に太陽がくることもあるのです。それでも、自転するのにたった17時間15分しかかかりません。また、天王星の自転軸と北極や南極は60度もずれています。このようなずれがなぜ起きたのかは、いまだにわかっていません。
天王星の発見は彗星とのかん違いから
天王星は1781年、イギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルによって発見されました。彼が星の距離をはかるための観測をしているときに、ぐうぜん、天王星を見つけたのです。最初ハーシェルは、それを彗星(すいせい)だと思っていましたが、その後の軌道観測によって、ほかの惑星といっしょに太陽のまわりを回っていることがわかり、太陽系の第7惑星として発表しました。
天王星をめぐる27個の衛星たち
天王星の衛星は現在27個が確認されています。そのうち、大きなものは5つです。ミランダは直径472kmの小さな衛星ですが、表面に断層があります。アリエルは天王星から2番目に近い衛星で、直径が1,158km。チタニアは天王星でもっとも大きな衛星で、直径が1,578kmあります。もっとも外側を回る衛星がオベロンです。直径は1,522kmあります。ウンブリエルはクレーターでおおわれた暗い衛星で、直径は1,170kmです。
ボイジャー2号以来初めての観測
1994年8月、ハッブル宇宙望遠鏡が天王星をとらえました。天王星を観測したのは、1986年にボイジャー2号以来初めてで、ハッブル宇宙望遠鏡から送られてきた映像では、地上からでは見ることのできない天王星の輪や、ボイジャー2号では観測できなかった天王星の雲の模様などもとらえられています。また、高層には「かすみ」の存在が確認されています。1996年4月には、天王星の大気が3つの層になっている様子をとらえた画像も公開されました。
「天王星の雲」も観測
さらに、1997年2月にスペースシャトルによるサービスミッションで新たに取り付けられた観測装置「NICMOS(近赤外カメラ及び多天体分光器)」を使って、1997年7月には6つの雲がはっきりと写っている赤外線画像を撮影しました。また1998年10月に発表された画像には約20個もの雲が確認されたり、過去に撮影された画像との比較によって天王星の一番明るく見える輪が歳差運動をしていることが確認されました。
ハッブル宇宙望遠鏡による観測は、今まで解明されなかった天王星の謎を解く上で、大きく貢献していくことでしょう。
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