大阪電力の設立
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大阪電灯から事業を引き継いだ大同電力は、木曽川などで電源開発にあたり、その電力を関西地方を中心に供給していた戦前期の大手電力会社である。同社は事業継承以前の1922年9月に大阪府内の大阪市・堺市および東成郡・西成郡・中河内郡・南河内郡・泉北郡・泉南郡(同年11月泉南郡から岸和田市が分立)のそれぞれ全域を電力供給区域とする事業許可を取得していた。これらの電力供給区域についてはまず岸和田営業所を新設、岸和田市周辺や泉南郡佐野町・貝塚町周辺の紡績工場・織布工場へ供給すべく1923年12月に送電設備を整備した。その一方、大阪市と東成郡・西成郡は宇治川電気と重複する電力供給区域のため、1924年(大正13年)2月に同社との電力供給契約を締結した際大同電力はこの地域へと供給しないことが取り決められた。 1923年10月、大阪電灯の残余事業を買収したことで、上記既許可電力供給区域に加えて堺市全域および中河内郡・南河内郡・泉北郡の各一部(計25町村)が新たに電灯・電力供給区域となった。また営業設備として堺営業所および河内営業所(八尾町)を継承している。これら地域における大同電力の一般供給事業はその後順調に成績を伸ばしていくが、1925年(大正14年)になると同社は主力事業である電気事業者への電力卸売りに集中すべく大阪府内の一般供給事業を子会社に経営させる方針を決定する。6月には新会社発起人との間に事業および財産の現物出資に関する契約を締結。新会社は資本金を1000万円・700万円払込とし、そのうち698万750円を大同電力による現物出資でまかない残りを発起人・縁故人により出資するものとされた。 新会社・大阪電力株式会社は1925年8月15日に創立総会を開いて発足した。ただし事業譲渡認可の遅れから設立登記は同年10月28日付となった。本社は大阪市東区高麗橋3丁目1番地(大同電力大阪支店所在地)に設置。代表取締役社長には大同電力副社長の増田次郎が就任した。
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