大正時代 - 昭和時代前期の戦前・戦中期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/07 03:30 UTC 版)
「日本の経済史」の記事における「大正時代 - 昭和時代前期の戦前・戦中期」の解説
第一次世界大戦でヨーロッパにおいて軍需が盛り上がったため、日本の経済は非常に潤い、農業国から工業国へと転換し、大戦景気が起きた。また、アメリカと同様に債権国へ転換した。しかし、第一次世界大戦が終結してヨーロッパの軍需が冷え込むと外需に依存していた日本は、1920年以後には戦後恐慌に陥った。1923年の関東大震災なども重なり銀行の信用構造は大きく揺らぎ、1927年に昭和金融恐慌が発生した。さらに1930年、民政党を中心とする浜口内閣が実行した経済政策(金解禁)が世界恐慌と重なることで頓挫し、不況は悪化して昭和恐慌と呼ばれた。その後政権が政友会を中心とする犬養内閣に戻り、高橋是清蔵相の下、金解禁を再禁止し、積極的な財政政策により世界恐慌による混乱から日本経済を一足早く脱出させた。 世界恐慌の中で躍進を遂げたソビエト連邦の五カ年計画に感化され、日本でも自由主義経済から国家統制経済に移行すべきだと主張する革新官僚が現れ、国家総動員体制を望む軍部と連携して日中戦争が始まると、次々と経済を官僚の統制下におくようになる。第二次世界大戦が始まると日本経済は完全に国家統制経済となり、自由主義経済は潰えた。 莫大な戦費は大増税だけではまかないきれず、日銀引受による国債の乱発や軍票の乱発が行われ、これが戦中・戦後のハイパーインフレーションを引き起こす要因となった。 終身雇用や労使一体、月給制など日本的雇用慣習といわれるものはこの時期に作られた。また、官民の協力体制や厚生年金などによる資源配分の傾斜、産業構造の重化学工業化と、財閥による垂直生産体制の整備は、戦後の経済発展の下地を作った。
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