夢野地区(神戸市兵庫区)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 03:20 UTC 版)
「地図混乱地域」の記事における「夢野地区(神戸市兵庫区)」の解説
西日本旅客鉄道(JR西日本)山陽本線(JR神戸線)兵庫駅の北方約1.5 kmに位置する、神戸市兵庫区北西端の住宅地区である。もともと山林、田畑やため池が点在する農耕地だった当地を、1923年(大正12年)から1941年(昭和16年)にかけて、「夢野土地区画整理組合」が35 haを区画整理した。地区内の街区工事、市道認定はともに完了し、換地先の利用も開始されたにもかかわらず、太平洋戦争による混乱期を経て、肝心の換地処分の登記変更が行われないまま、1960年(昭和35年)に同組合は解散。その結果、地図混乱問題を抱えることとなった。 神戸市の都心から程近い当地では、時を経るごとに宅地化が進んでいった。一方、法務局に現状を反映した地図がなく、地目変更登記処理もなされていなかったため、土地を分筆できず、また担保に拠出することが極めて難しかった。例えば、当時「湊川町10丁目23-1」の土地は80人あまりの共有地扱いとなった。その他、約70戸が同じ地番になっている事例もあり、住居表示が実施されなかったこともあって、郵便物の誤配が相次いだという。 神戸市や法務局が是正を検討するも、各地権者の反応は薄く、費用負担や地権者全員の合意を得られる見通しが立たなかったという。そんな中、1995年(平成7年)阪神・淡路大震災により多くの住宅が損壊。しかし、住宅や擁壁修理を行うための融資が受けられず、地区内の土地売却も進まないことから、解決を求める声が一気に噴出した。 特に震災被害の大きかった湊川町10丁目、菊水町10丁目の住民によって「湊菊10丁目復興協議会」が設立され、地権者やその相続人を探して測量への立会いや地図作成の同意を得る行動を開始。1996年(平成8年)に地権者全員の了承を得て、神戸地方法務局で「公図の変更」を認められた。こうして、個々の土地ごとに分筆の登記が行われるに至った。残りの地区についても、1998年(平成10年)から地図訂正の作業が開始され、翌年末に完了している。
※この「夢野地区(神戸市兵庫区)」の解説は、「地図混乱地域」の解説の一部です。
「夢野地区(神戸市兵庫区)」を含む「地図混乱地域」の記事については、「地図混乱地域」の概要を参照ください。
- 夢野地区のページへのリンク