基本的な食事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/17 01:18 UTC 版)
大塚和夫の調査によると、スーダンのとある農村では細かくした茶葉を煮出した紅茶に砂糖を多めに入れた「モーニング・ティー」を1杯飲んでから出勤または農作業に出かけ、一仕事を終えた9時から10時頃にフトゥールと呼ばれる簡素な朝食を摂る。15時頃に摂る昼食はガダーと呼ばれ、1日で最も豪華な食事になる。一方、夕食を意味するアシャーは21時頃に摂り、老人など早寝の人は食べずに寝てしまうこともある。食事は基本的に男女別で複数人でともに食べ、個食は稀である。食べ始めは皆そろえるが、食べ終わりは満腹になった者から順に席を外し、近くのソファなどで全員が食べ終わるのを待ってから食器を下げ、食後の紅茶を楽しむ。 朝食は自宅に戻れる人は自宅で、戻れない人は職場近くの食堂で摂る。自宅では野菜や豆の煮込みとパンが多く、食堂ではトゥスタと呼ばれるホットドッグに似たパンを使ったサンドイッチを食べることが多い。一仕事終えてから朝食を食べるため、朝食時間帯の職場は閑散とし、小学校でも児童は一旦下校して家で食事を摂る。 昼食は野菜や豆の煮込みのほか、肉料理やパン、米飯、マカロニ類、キスラと呼ばれるクレープ状の薄いものが丸盆に載せて供され、その時居合わせたもの同士で取り囲んで食べる。休日である金曜日や特別な客人が来訪したときは、食事の質と量が向上し、デザートとして果実類が供される。 夕食は朝食よりも簡素で、パン、キスラ、煮豆などで簡単に済ませる。 ラマダーンの時期は日中飲食ができないため、夕日が沈む直前に食事を準備し、礼拝を呼びかける放送を聞いてからまず飲料を摂り、ナツメヤシの実を数粒食べてから本格的な食事に入る。この時期には普段の昼食で摂るような食事のほか、ホッルモッルと呼ばれるソルガムで作った独特の飲料やトウモロコシや豆類を煮込んだバリーラなど、ラマダーンならではのメニューも供される。
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