在来線への直通
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 11:18 UTC 版)
JRの在来線は1067 mm軌間であり新幹線と軌間が異なるため、基本的には他国の高速鉄道で行われているような在来線との直通運転はできない。直通を実現させるには何らかの特殊な方式などを用いる必要がある。 ミニ新幹線 - 在来線の線路を新幹線のものと同じ標準軌に改軌改良し、在来線の車両限界に合わせて作られた車両で新幹線との直通運転を行う方式。新幹線と在来線との直通山形新幹線の福島 - 新庄間、秋田新幹線の盛岡 - 秋田間がこれにあたる。1992年に開始されて以降、日本で唯一実用化されている新幹線・在来線直通運転方式である。新幹線区間とミニ新幹線区間を直通する特急列車を新幹線直行特急という。この方式で標準軌に改軌改良された在来線区間は、以下のような特徴がある。法律や設備などの上では新幹線ではなく在来線である。 営業上・案内上では「山形新幹線」「秋田新幹線」といった「新幹線」の呼称が用いられる。営業戦略上と地元への誘致効果がその理由である。 最高速度は130 km/h程度に制限されているが、在来線の中では走行速度が高いグループに属する。 完全立体交差化は行わず、踏切数を削減すると共に保安設備を強化している。 ミニ新幹線化された区間の全区間が改軌前より50 Hz・20,000 V交流電化された区間であったため、改軌後もこれをそのまま採用し、電圧は20,000 Vのままである。直通車両は複数電源対応としている。この場合の異電圧区間の接続はデッドセクションとなっている。 フリーゲージトレイン - 車両側の台車を1067 mm軌間と1435 mm軌間の両方に対応させる方式。鉄道総合技術研究所(JR総研)により開発が進められているが、実用化の時期は未定である。 新幹線鉄道規格新線(スーパー特急) - 新幹線規格の路盤上に1067 mm軌間の軌道を敷設する方式。200 km/hでの走行が可能とされる。軌間が在来線と同じ狭軌であるため、在来線と容易に直通させることができる。ただし、この方式で着工された路線はすべて標準軌(フル規格)に変更されて建設されたため、現段階においてはこの方式を採用した路線は存在しない。
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