国内における訓練
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 09:37 UTC 版)
SATは思想的背景のある犯罪者や、テロリストを主に取り扱う警備部に所属しており、装備品や訓練施設の大半は地方予算(都道府県警察予算)ではなく、国家予算(国費)で賄われている。そのため通常の機動隊に比べて装備、訓練施設は充実している。 日本国内には、先述のようにSATの関連施設が設置されており、訓練が行われている。訓練は危険を伴い、過去においては隊員が重傷を負う事故も発生している。2006年には大阪府警察SATの隊員が射撃訓練中、首からさげた自動小銃を構える際に引き金に指がかかり、実弾1発を暴発させ、自身の左足ふくらはぎを貫通し、全治約1カ月の重傷を負った。 専用の訓練施設以外では、陸上自衛隊の駐屯地で小銃を使用した狙撃訓練や、ヘリコプター降下の訓練を実施したとされている。 部隊の具体的な訓練内容については、創設以来、非公開とされていたが、2002年のサッカーワールドカップ開催を前にして、警察庁は同年5月10日に警視庁SATの訓練映像を公開した。映像ではヘリコプターからの降下訓練や、航空機、バスへの突入訓練、狙撃や潜水器具を使用したプールでの訓練などが公開された。 2007年6月5日に警察庁は、東京都内の警視庁の専用施設に全国警察本部の本部長を集め、警視庁SATとSITの合同訓練を実施した。この合同訓練は、愛知長久手町立てこもり発砲事件において愛知県警察SATとSITの連携が課題となった事を受けて行われたもので、全国の警察本部長にSATとSITの技能や効果的な運用方法に関する理解を深めさせ、実践的な訓練や事件対応に生かすことが目的であった。訓練内容は人質立てこもり事件において犯人が警察官に向かって銃撃し、建物から出て来るとの想定に基づき、SATとSITは閃光弾やけん銃を使った突入や狙撃銃での狙撃など、役割を分担して訓練を実施した。
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