周辺地域との差異
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 06:07 UTC 版)
名古屋市を中心に、 一宮市や江南市、犬山市など北へ行くと美濃弁の要素が入り、断定の助動詞「や」や、「がや」の代わりに「やん」「やが」の使用が見られる。 西へ行って弥富市より木曽川を渡ると三重県に入るが、木曽岬町や桑名市長島町は揖斐川の東岸に位置するため、名古屋弁に近い方言が用いられている。揖斐川を渡って桑名市街に入ると近畿方言に分類される伊勢弁(三重弁)の地域になり、名古屋弁との違いが大きくなる。 南へ行って知多半島では狭義の名古屋弁の影響がやや弱く、「〜じゃん」「〜だらあ」「〜りん」の使用や準体助詞「の」の不使用など、三河弁に近い言語が用いられている。この地域の方言は知多弁と呼ばれることもある。 東は境川付近から三河弁の要素が入る。 瀬戸市には名古屋弁と似るものの東濃の方言との共通する特徴をもつ瀬戸弁がある。 名東区や長久手市、日進市などの尾張東部の新興住宅街は県外出身者も多く、名古屋弁の要素を失い、発音や語彙などが標準語の影響を強く受けている一方、古くからの住宅地では名古屋弁の要素が濃く残っている。 周辺の他の方言との比較については日本語の方言の比較表を参照されたい。広義の名古屋弁の中での比較を示せば下記のとおりである。 各地域ごとの比較表尾張一宮尾張瀬戸名古屋半田アクセント内輪東京式 中輪東京式 否定〜ん、〜へん、~せん 〜ん、〜せん、〜へん 断定の助動詞や や、だ だ 〜するのだするんや するんだ するだ 〜ではないか〜やん、〜やが、〜がや、〜がね 〜がや、〜がね、〜が-、〜がん※1 〜げー、〜じゃん だろう(推量)やろう だろう だろう(確認)やろう やらあ だろう(男)でしょう(女性)※2 だらあ 念押しの疑問(〜よね)〜やんね、〜わな、〜わね 〜わな、〜わね、〜がんねえ※1 〜じゃんね 食べなよ食べやあ 食べりん ※1 体言の直後は、「だがや/だわな」、用言の直後は「がや/わな」。 ※2 「だろう」は粗野な言葉とされており、女性はもとより、男性でも敬語を使っていない文脈でも「だろう」の使用を避けて「でしょう」と言う機会は多い。 名古屋弁の単語は、遠州弁や三河弁など周辺の方言でも使われていることがあるが、中には名古屋弁と静岡弁では使われているのに、その間の遠州弁や三河弁では使われていない単語や、名古屋弁と南信方言では使われているのに、その間の三河弁では使われていない単語もある。 名古屋弁知多弁西三河弁東三河弁南信方言遠州弁静岡弁〜だもんで、〜で○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〜だに、〜に○ ○ × ○ ○ ○ × 〜だら、〜ら× ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〜だねぁ、〜かしゃん/~かしん○ × × × × × ○ 〜なも類○ × × × ○ × × 〜まい(か)○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
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