名称表記の歴史とは? わかりやすく解説

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名称表記の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 01:12 UTC 版)

関数 (数学)」の記事における「名称表記の歴史」の解説

日本語としての関数はもともと「函数」(旧字体では函數と書く。函数という語は中国語から輸入されたものであり、中国での初出1859年出版され李善蘭の『代微積拾級』といわれる。既にオランダ通じて西洋数学(特に微積分)を勉強していた神田孝平らが翻訳の際に参考にしたとされる微積分について日本語書かれ最初の本、花井静校・福田半編『筆算微積入門』(1880年) では「函数」が用いられている。それに続く長澤龜之助訳『微分学』(1881年)、岡本則録訳『査氏微分積分学』(1883年) のいずれも用語を『代微積拾級』、『微積遡源』(1874年) などによっている。明治初期東京數學會社数学用語の日本語訳検討する譯語會が毎月開催されその結果が『東京數學會社雑誌』で逐次報告されている。この報告function訳語は第62号 (1884年) の「原數」と第64号 (1884年) の「三角法函數」の二種類登場する一方、同誌の本文では61号 (1884年) や63号 (1884年) で「函數」が用いられている。 「函」が漢字制限による当用漢字含まれなかったことから、1950年代以降同音の「関」へと書き換えすすめられた。この他、「干数」案もあった。学習指導要領に「関数」が登場するのは中学校1958年高等学校1960年であり、それまでは「函数」が用いられている。「関数表記1985 年頃までには日本初等教育段階でほぼ定着した。 「函数」の中国語における発音は(拼音: hánshù) であり、志賀浩二小松勇作によればこれはfunction音訳であるという。一方、『代微積拾級』には「凡此變數中函彼變數則此為彼之函數」とあり、これは変数を包む、含む式という意味で定義されていると解釈できる。また変数に天、地などの文字用いて「天 = 函(地)」という表記もある。片野善一によれば、「函」の字義はつつむ、つつみこむであるから、「天 = 函(地)」という表現は「天は地を函む」ようにみえ、従属変数(の表現)に独立変数が容れられているという意味であるという。 なお、現代初等教育の場においてはしばしば関数ブラックボックスのたとえで説明することがある。この説明では、「函」を「はこ」と読むことと関連付け説明されることもあるが、「函数」の語の初出1859年なのに対し、「ブラックボックス」の語の初出1945年ごろとされることに注意要する

※この「名称表記の歴史」の解説は、「関数 (数学)」の解説の一部です。
「名称表記の歴史」を含む「関数 (数学)」の記事については、「関数 (数学)」の概要を参照ください。

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